ビタカンファー(読み)びたかんふぁー(英語表記)vitacamphor

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビタカンファー」の意味・わかりやすい解説

ビタカンファー
びたかんふぁー
vitacamphor

カンフル樟脳(しょうのう))の強心作用の本体として朝比奈泰彦(あさひなやすひこ)が発見、創製した水溶性中枢神経興奮剤で、生体内代謝物のうちトランス‐π‐オキソカンファーをさす。カンフルの商品名であったが、その後に合成されるようになり、トランス‐π‐オキソカンファーの0.5%等張食塩水溶液をさすようになった。かつては急性心臓衰弱などの蘇生(そせい)薬として繁用されたが、現在ではほとんど使われていない。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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