…監督は第1次世界大戦でフランス空軍部隊に加わった経歴のあるウィリアム・A.ウェルマンで,〈航空映画〉の傑作として映画史に記される作品。キング・ビダー監督によるMGMの戦争映画の大作《ビッグ・パレード》(1925)に対抗してつくられたパラマウントの戦争映画で,第1次大戦を背景に男の友情と恋のドラマを描き,悲劇に終わる青春ロマンス的な物語であるが,見せ場は20台をこえるカメラを駆使して撮影したといわれる空中戦である。この映画が公開される2ヵ月あまりまえにチャールズ・リンドバーグが大西洋無着陸横断単独飛行に成功し,航空熱が高まっていたことも手伝って興行的にも大成功し,その後《暁の偵察隊》(1930),《最後の偵察》(1931),《火の翼》(1932)などの〈航空映画〉が流行するさきがけともなった。…
…キング・ビダー(ビドア)King Vidor(1894‐1982)監督のトーキー第1作。トーキーの到来とともに歌って踊れる〈新しいタレント〉として黒人が起用され,フォックスの《ハーツ・イン・ディキシーHearts in Dixie》(1929)に次いでつくられたMGMの〈オール・ニグロ・ミュージカル〉で,人道主義的な反戦映画《ビッグ・パレード》(1925)で注目されたビダーが,演出料を製作費に投資することを申し出て実現した野心作といわれる。登場人物がすべて黒人であり,宗教と愛欲の葛藤のドラマをとおし,ハリウッドの伝統と常識に対する一つの挑戦として南部の黒人社会を描いたこの映画は,〈シリアスなドラマ〉〈感傷と陳腐なメロドラマの混合〉と毀誉褒貶(きよほうへん)があったが,トーキーが技術的に混乱して〈映画美〉をうしなっていた当時,カメラを自由に移動し,台詞を抑制し,黒人霊歌や自然音を活用して劇的効果をもりあげ,〈トーキー映画〉の先駆的役割を果たした功績は大きい。…
※「ビッグ・パレード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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