ビドパイの物語(読み)ビドパイのものがたり(その他表記)Fables of Bidpai

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビドパイの物語」の意味・わかりやすい解説

ビドパイの物語
ビドパイのものがたり
Fables of Bidpai

古代インドの説話集パンチャタントラ』のヨーロッパでの呼称。『ピルパイ』 Pilpayともいう。『パンチャタントラ』のペルシア語訳『アンワーリ・スハイリー』のフランス語訳 (1644) にこの名が用いられてから,ヨーロッパで有名になった。「ビドパイ」とは,サンスクリット語ビディヤーパティ vidyāpati (賢者) の転訛で,原本に登場する「賢明な」バラモン物語という意味である。

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改訂新版 世界大百科事典 「ビドパイの物語」の意味・わかりやすい解説

ビドパイの物語 (ビドパイのものがたり)

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世界大百科事典(旧版)内のビドパイの物語の言及

【説話文学】より

…記載文学の一ジャンルで,説話を主たる素材として制作された文学の称。神話,伝説,昔話,世間話など,口頭で伝承された説話が文字によって文学化されたもので,叙事本位の短編が多い。概して創作性に乏しく,心情の描写を避けて事件と行動の叙述に重点を置く。特異な事件や珍談奇聞など,総じて非日常的話題が取り上げられ,叙述形式には口頭伝承のなごりをとどめている場合が多い。特定個人の名において制作されても,常にその背後に,素材の伝承過程に加えられた多数者の創作行為が潜在している点に文学的個性がある。…

【パンチャタントラ】より

…古代インドのサンスクリットの説話集。〈5編の物語〉の意。原本は散逸して現存せず,原作者も年代も不明であるが,原本から多数の支本が生じ,数種の異本が伝わっている。発端物語すなわち全体の枠物語によれば,アマラシャクティ王の委嘱によって,賢明なバラモンのビシュヌシャルマンが,3人の王子に王者としての教育を授けるため,寓話に託して処世,統治,外交,倫理等の要訣を教えたということになっている。題名の示すように,〈朋友の分離〉〈朋友の獲得〉〈鴉(からす)と梟(ふくろう)の闘争〉〈獲得したものの喪失〉〈思慮なき行為〉という5編から成っているが,各編にはそれぞれ枠物語があって,その中に多くの挿話が含められ,散文に教訓的詩句を交えて語られている。…

※「ビドパイの物語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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