ピガフェッタ(その他表記)Antonio Pigafetta

改訂新版 世界大百科事典 「ピガフェッタ」の意味・わかりやすい解説

ピガフェッタ
Antonio Pigafetta
生没年:1480から91ころ-1534ころ

マゼランマガリャンイス)の世界周航に参加してその記録を書き残したイタリア人。北イタリアのビチェンツァの小貴族の出身で,ヨハネ騎士団の軍人修士。1519年ごろ,ローマ教皇の使節フランチェスコ・キエレガトの侍者としてスペインに滞在中,マゼランの航海計画を知り参加,19年8月セビリャを出帆した。遠征隊は5隻の帆船と237人の乗組員で構成されていたが,22年9月にスペインへ帰国できたのは,ビクトリア号1隻と18人の乗組員だけで,彼はこの幸運にあずかった1人であった。帰還後まもなく航海の記録を著し,25年フランスで初版が出版された。これはマゼランの世界周航に関する最も価値ある記録で,邦訳(《大航海時代叢書》所収)もある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピガフェッタ」の意味・わかりやすい解説

ピガフェッタ
Pigafetta, Antonio

[生]1480/1491. ビチェンツァ
[没]1534頃
イタリアの航海者。 F.マゼランの世界周航に加わって,1519年セビリアを出発,22年に無事に帰国した。この航海の貴重な記録を書き残し,のち各国語に訳されて公刊された。

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世界大百科事典(旧版)内のピガフェッタの言及

【オオミヤシ】より

…ゼラチン状の胚乳は美味で,セーシェル諸島民の好物の一つとなっている。この巨大なヤシについては,F.マゼランの世界周航に同行し,記録を残したA.ピガフェッタが1519年に原住民パイロットの話としてふれている。その巨大な種子については,16世紀にインドに渡航したポルトガル人によって言及され,1611年,インド洋のモルジブ島の海岸に漂着したものをピラードPyrardという人が発見したので,しばらくはモルジブ島産と信じられた。…

※「ピガフェッタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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