日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピシェット」の意味・わかりやすい解説
ピシェット
ぴしぇっと
Henri Pichette
(1924―2000)
フランスの詩人。シャトールーに生まれる。若くして第二次世界大戦に参戦したのち、核時代の世界の不正に対する告発を詩作品に込めた『非詩』Apoèmes(1946)を発表、俳優ジェラール・フィリップの演じる詩劇『公現祭』Les Épiphanies(1947)で注目され、続いて『ニュクレア』Nucléa(1950)を発表した。詩集『風力点』Le point vélique(1950)、『権利要求』Les revendications(1958)、『各人へのオード』Odes à chacun(1961)などの作品で、激しい反逆と自由への希望を雄弁な叙事詩的語法で展開した。
[田中淳一]