告発(読み)こくはつ

日本大百科全書(ニッポニカ)「告発」の解説

告発
こくはつ

犯人または告訴権者以外の者が、書面または口頭で、検察官または司法警察員に対し、犯罪事実を申し、同時に訴追を求める意思表示をいう。告発は、何人(なんぴと)でもこれをすることができる(刑事訴訟法239条1項)。犯人自ら犯罪事実を申告する自首および告訴権者(被害者など)が犯罪事実を申告する告訴と区別される。官吏(国家公務員)または公吏(地方公務員)は、その職務を行うことにより犯罪があると考えるときは、告発の義務を負う(同法239条2項)。告発を受けた司法警察員は、速やかに告発に関する書類および証拠物を検察官に送付しなければならない(同法242条)。独占禁止法上の私的独占または不当な取引制限の罪、国際的協定・確定審決違反等の罪、会社活動等に関する規定違反の罪は、公正取引委員会の告発を待って、これを論ずる(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律96条1項)。すなわちこの場合の告発は訴訟条件である。この告発は、公訴の提起があったのちは、これを取り消すことができない。国税犯則取締法および関税法でも、国税犯則事件および関税犯則事件に関する訴訟条件としての告発について特別の規定が置かれている。

[内田一郎・田口守一]

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精選版 日本国語大辞典「告発」の解説

こく‐はつ【告発】

〘名〙
悪事や不正などを明るみに出して、世の中に訴えること。
※架空邂逅記(1950)〈渡辺一夫〉「人間が永遠の告発の精神や批判の精神をなくなしたら」
② 告訴権者である被害者以外の者が捜査機関に対し、犯罪事実を申告して捜査および犯人の起訴を求めること。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉九「証跡(しょうこ)のない事ですから、之を告発(コクハツ)する訳にもいかんが」

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百科事典マイペディア「告発」の解説

告発【こくはつ】

告訴権者・犯人以外の者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し,犯人の捜査および訴追を求めること。犯罪が行われたと考えるときは,だれでも告発をすることができ,官吏・公吏が職務上犯罪を発見したときは,告発の義務がある(刑事訴訟法239条)。手続・効果は告訴とほぼ同じ。
→関連項目虚偽告訴の罪司法警察職員親告罪和田寿郎

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「告発」の解説

告発
こくはつ

犯人または告訴権者以外の第三者が,社会正義のため黙過しえずとして捜査機関に対して犯罪事実を申告し,犯人の訴追を求める制度である (刑事訴訟法 239) 。告発は一般には犯罪捜査の端緒にすぎないが,訴訟条件となる場合もある (独占禁止法 96,国税犯則取締法 13以下など) 。 (→告訴 )

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デジタル大辞泉「告発」の解説

こく‐はつ【告発】

[名](スル)
悪事や不正を明らかにして、世間に知らせること。「内部告発
犯罪とは直接関係のない者が、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の訴追を求めること。「告発状」→告訴
[類語]告訴訴える申し立てる提訴訴訟上訴控訴抗告上告反訴

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世界大百科事典 第2版「告発」の解説

こくはつ【告発】

犯人および告訴権者以外の第三者が,捜査機関に犯罪事実を申告し,犯人の処罰を求める意思を表示すること。犯罪があると認めるときは,だれでも告発をすることができる(ただし,故意に偽りの告発をしたときは虚偽告訴罪(刑法172条)ないし虚構犯罪申告罪(軽犯罪法1条16号)に問われることがある)。とくに公務員は,職務上犯罪を発見したときは,告発をする義務がある(刑事訴訟法239条)。告発の方式や告発後の手続は,告訴の場合にほぼ準ずる(241~243条,260~262条,検察審査会法30条)。

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普及版 字通「告発」の解説

【告発】こくはつ

あばく。

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