ピチログラマ(その他表記)Pityrogramma

改訂新版 世界大百科事典 「ピチログラマ」の意味・わかりやすい解説

ピチログラマ
Pityrogramma

温室等でしばしば栽培されるホウライシダ科の観葉シダ植物の1属。キンシダP.calomelanos var.aureoflava Wetherby(英名goldback fern),ギンシダP.argentea Mett.(英名silverback fern)等がよく知られる。いずれの種も,葉裏にフラボノイド系の分泌物である粉をもち,その粉の色が多彩である。原産地は中南米からアフリカにかけてで約40種あり,乾性地を好む。この属のものは,もともと日本に自生しないが,1960年代に西表島からギンプンワラビP.calomelanos (L.) Linkが見つかった。ギンプンワラビでは,短く直立する根茎に2回羽状深裂の葉が叢生(そうせい)する。裂片はへら形で,表面は淡緑色,葉柄は暗褐色で光沢がある。キンシダ,ギンシダのほかに園芸種として日本に入っているものに,P.chrysophylla (Sw.) Link,P.tartarea (Cav.) Maxon,P.triangularis (Klf.) Maxon等があり,雑種性の園芸品種も見られる。栽培にあたっては,通風日射をよくし,高温空気を乾燥気味にし,排水に気をつける。胞子で,よく繁殖する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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