ピチンチャ州(読み)ピチンチャ(その他表記)Pichincha

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピチンチャ州」の意味・わかりやすい解説

ピチンチャ〔州〕
ピチンチャ
Pichincha

エクアドル北部内陸の州。州都キト赤道直下のアンデス山脈中に位置し,東部には世界最高の活火山であるコトパクシ火山 (5896m) をはじめ,カヤンベ,ピチンチャなどの高峰がそびえるが,西に向って次第に低くなり,太平洋沿岸平野に続く。キトはまたエクアドルの首都でもあり,この地域は古くから同国の歴史上,政治上中心的な位置を占めてきた。独立戦争時にはその決戦場となり,1822年ピチンチャ山の山麓で独立軍がスペイン政府軍を撃破した。主産業は農業 (穀物ジャガイモ,サトウキビ,カカオ,コーヒー,イネ) と牧牛であるが,キトを中心に繊維,食品などの工業も発達し,州経済に重要な役割を果している。また森林資源,銅その他の鉱物資源に恵まれ,近年は観光業も発展してきている。キトを中心に鉄道,道路が通じる。面積1万 6599km2。人口 175万 6228 (1990) 。

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