改訂新版 世界大百科事典 「ファンデベルデ」の意味・わかりやすい解説 ファン・デ・ベルデTheodor Hendrik van de Velde生没年:1873-1937 オランダの婦人科医,性研究家。結婚生活について悩みや心配をかかえ,ビクトリア朝的な性道徳にしばられた患者を治療するかたわら,結婚の生理学的・心理学的研究を行う。著作には《完全なる結婚--その生理と技巧の研究》《結婚生活における嫌悪》《結婚における妊娠とその望ましい影響》の三部作などがある。とりわけ,1926年刊行の《完全なる結婚》は各国語に訳され,広く読まれた。日本では30年に抄訳本が出版され発禁となるが,敗戦後の46年に公刊された全訳本(ヴァン・デ・ヴェルデ名)は,従来タブー視されていた夫婦の性生活の重要性を説いたものとして迎えられ,以後の性科学書のはしりとなった。執筆者:石田 雅男 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by