フィコエリスリン(読み)ふぃこえりすりん(その他表記)phycoerythrin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィコエリスリン」の意味・わかりやすい解説

フィコエリスリン
ふぃこえりすりん
phycoerythrin

紅藻類藍藻(らんそう)類などに含まれる紅色の色素タンパク質フィコエリトリン紅藻素ともいう。色素部分のフィコエリスロビリンは、ポルフィリン環の開いたテトラピロール構造をもっている。フィコエリスリンは、細胞内ではラメラ構造上にあるフィコビリゾームとよばれる顆粒(かりゅう)中に存在し、光合成の補助色素として光のエネルギー捕捉(ほそく)に重要な役割を果たしている。深海の紅藻ほどフィコエリスリン量が多く、効率よく光のエネルギーを吸収する。

吉田精一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android