フェイススケール(読み)ふぇいすすけーる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェイススケール」の意味・わかりやすい解説

フェイススケール
ふぇいすすけーる

痛みの程度を、笑った顔(まったく痛くない)から泣き顔(非常に痛い)までの6段階の表情の変化で表したスケール尺度)。その人の感じている痛みを、6段階の表情のなかから主観的に選んでもらい、簡易に痛みの程度を測定しようとするもので、ペインクリニックなど臨床でよく用いられている。ウォングDonna Wong(1948―2008)とベイカーConnie Morain Bakerによって開発された。

 痛みの評価尺度にはほかに、視覚アナログ尺度(VAS:visual analogue scale)や点数法などがある。VASは、10センチメートルの線の両端無痛の0と最強の痛みの10を配置し、感じている痛みの位置を指示させて数値化する。点数法は、1点(痛くない)から5点(耐えられない痛み)までの言語化した痛みを点数化する方法である。これらは、痛みをできる限り客観的に評価しようと考えられたものだが、痛みは元来主観的なもので個人差は排除できない。また、痛みの程度が図示されているフェイススケールは幼児にも使用できるとされてきたが、年齢によってその妥当性が疑われるという報告もある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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