フシミズカビ(その他表記)Leptomitus

改訂新版 世界大百科事典 「フシミズカビ」の意味・わかりやすい解説

フシミズカビ
Leptomitus

鞭毛菌亜門,卵菌綱,フシミズカビ目に含まれる1属の菌類水中で腐生生活をし,菌糸には目だったくびれがあり,間隔をおいて節(ふし)に分かれるところからこの名がある。この分節がそのまま遊走子囊となり,成熟すると遊走子が放出孔から泳ぎ出す。有性生殖は知られていない。一般に有機物の多い下水,工業廃水の流れこんだ河川に水わた状に発生するので,汚水菌sewage fungusとも呼ばれる。水中にアサの実を投じて釣菌することができる。代表種はL.lacteus(Roth)Agardh。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フシミズカビ」の意味・わかりやすい解説

フシミズカビ(節水黴)
フシミズカビ
Leptomitus lacteus

藻菌類卵菌類フシミズカビ目。かなり有機物を含んだ流水,たとえば醸造工場の排水溝のようなところに発生する。外観は古い絹綿を水に漬けたような糸状体で軟らかく,ぬめりけがある。太さ 12~32μmで多少分枝し,ところどころ,特に分枝の出るところにくびれのある節を生じる。

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