日本大百科全書(ニッポニカ) 「フリンダーズ」の意味・わかりやすい解説
フリンダーズ
ふりんだーず
Matthew Flinders
(1774―1814)
イギリスの探検航海家。独学で航海術を学び、1789年海軍入隊、91年バウンティ号の反乱(1787)で有名なブライ船長の第2回タヒチ行に参加。95年ポート・ジャクソン(シドニー)来航、98~99年船医ジョージ・バスとタスマニアを周航、大陸とつながらないことを発見。オーストラリア大陸沿岸全域の海図完成という野望を抱き、帰国後インベスティゲーター号大佐艦長として1801年12月オーストラリア南西端に至り、時計と逆回りに沿岸調査(とくに南岸の海図は今日でも基礎資料に使われるほど精密)、03年6月大陸周航後シドニーに帰着。別の船で北回り帰国の途中二度水漏れに遭遇、二度目は当時イギリスと交戦中であったフランスの領有するモーリシャス島に避難、7年近く抑留された。この間、船の鉄材による羅針儀誤差修正法を発見。帰国後書いた『テラ・アウストラリス航海』は、死の前日刊行された。オーストラリアの名称を最初に用いた人物である。
[越智道雄]