フリーシー族(読み)フリーシーぞく(英語表記)Frisii; Friesen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フリーシー族」の意味・わかりやすい解説

フリーシー族
フリーシーぞく
Frisii; Friesen

中世初期に北西ドイツ,北海沿岸,ライン河口地域に定住した西ゲルマンの部族名。ドイツ語ではフリーゼン族。8世紀にフランク民族支配を受けキリスト教化されたフリーシー族は,治水などの必要から独特な自由農民共同体を発達させ,自治的性格が強かった。またハンザ同盟の勃興以前には海上での商業活動も盛んで,フリーシー族の定住地域 (フリースラント) の西部はやがてホラント伯領に吸収され,東部は 16世紀前半以降ネーデルラント,オルデンブルクなどに編入された。小説家 T.シュトルム,古代史家 T.モムゼン,法学者 R.イェーリングらのすぐれた文化人を生んでいる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android