フランク民族(読み)フランクみんぞく(英語表記)Franken; Francs; Franks

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランク民族」の意味・わかりやすい解説

フランク民族
フランクみんぞく
Franken; Francs; Franks

ゲルマン民族のうち西ゲルマンに属する一派。3世紀に初めて知られ,西ヨーロッパの歴史に重要な足跡を残した民族。単一の部族名ではなく,サリ族,リブアリ族,カッティ族などライン川中・下流の東岸に住む諸小部族集団の呼称。サリ族が指導的地位にあり,民族移動期にライン川を越えガリア地方に広がった。5世紀末に,サリ族の首長メロビング家のクロービス1世が統一王権を樹立しフランク王国を建設。カッティ族が統合されたのもこの頃である。フランク王国の拡大に伴いフランク族の計画的植民が行われたが,彼らは故地を捨てず膨張発展という形をとり,またアリウス派の段階を経ずにカトリックに改宗したことが,他のゲルマン諸部族と異なっている。彼らの統一性もベルダン条約メルセン条約の2条約による王国分割とともにくずれた。西フランク (フランス地域) はガロ=ロマン的要素に同化され,東フランク (ドイツ地域) は他の部族と並ぶ国家構成上の一部族にすぎなくなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android