家庭医学館 「ぶどう膜欠損」の解説
ぶどうまくけっそんしょう【ぶどう膜欠損(症) Uveal Coloboma】
妊娠初期の発生異常によって生じるもので、胎児(たいじ)のときに眼球(がんきゅう)の下側で開いていた胎生裂(たいせいれつ)(眼杯裂(がんぱいれつ))が完全に閉じず、ぶどう膜の形成不全によっておこります。
ぶどう膜欠損が眼球前方の虹彩(こうさい)だけに生じると、瞳孔(どうこう)(ひとみ)が下方に開くために西洋ナシのような形になり、虹彩欠損(こうさいけっそん)(症(しょう))となります。
ぶどう膜欠損が眼球後方の脈絡膜(みゃくらくまく)だけに生じると、下方の脈絡膜が形成されず、脈絡膜欠損(みゃくらくまくけっそん)(症(しょう))となります。
小眼球(しょうがんきゅう)、弱視(じゃくし)、眼振(がんしん)をともなったり、白内障(はくないしょう)、網膜剥離(もうまくはくり)を合併することが多くみられます。
治療法はありません。