ぶどう膜欠損(読み)ぶどうまくけっそんしょう

家庭医学館 「ぶどう膜欠損」の解説

ぶどうまくけっそんしょう【ぶどう膜欠損(症) Uveal Coloboma】

[どんな病気か]
 妊娠初期の発生異常によって生じるもので、胎児たいじ)のときに眼球(がんきゅう)の下側で開いていた胎生裂(たいせいれつ)(眼杯裂(がんぱいれつ))が完全に閉じず、ぶどう膜の形成不全によっておこります。
 ぶどう膜欠損が眼球前方の虹彩(こうさい)だけに生じると、瞳孔(どうこう)(ひとみ)が下方に開くために西洋ナシのような形になり、虹彩欠損(こうさいけっそん)(症(しょう))となります。
 ぶどう膜欠損が眼球後方の脈絡膜(みゃくらくまく)だけに生じると、下方の脈絡膜が形成されず、脈絡膜欠損(みゃくらくまくけっそん)(症(しょう))となります。
 小眼球(しょうがんきゅう)、弱視(じゃくし)、眼振(がんしん)をともなったり、白内障(はくないしょう)、網膜剥離(もうまくはくり)を合併することが多くみられます。
 治療法はありません。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典(旧版)内のぶどう膜欠損の言及

【小眼球】より

…眼球は成人で直径24mm,角膜の直径11mmがふつうであるが,その2/3程度以下を小眼球という。眼球の発生が途中で停止したものと考えられ,虹彩,毛様体および脈絡膜の一部が欠損していることが多く,これをブドウ膜欠損という。原因は遺伝性のものが多く,遺伝形式としては常染色体優性および劣性遺伝が考えられている。…

※「ぶどう膜欠損」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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