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白内障 はくないしょうcataract

翻訳|cataract

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

白内障
はくないしょう
cataract

しろそこひうみそこひともいう。眼の水晶体が濁って視力障害を起す病気で,瞳の奥が白く見えることからこの名がある。先天性,老人性,糖尿病性,併発性,外傷性などがある。先天性白内障は生れつき水晶体の一部が混濁しているもので,多くは眼の他の部分の先天異常を伴う遺伝的なもの。老人性白内障は老人に起る水晶体の濁りで,眼がかすんだりして,次第に視力が低下する。糖尿病性白内障は糖尿病にかかって起るもの。併発性白内障は,たとえば虹彩毛様体炎や網膜疾患に伴って発病するもの。外傷性白内障は外傷によって起る。白内障の手術法には嚢外摘出術と嚢内摘出術 (全摘出術) とがある。水晶体摘出後は強い遠視となるので,強度の遠視めがねとかコンタクトレンズを装用する必要がある。最近は眼内レンズを直接,眼球内に挿入する方法も盛んに行われている。

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知恵蔵の解説

白内障

白内障は目のレンズ(水晶体)が濁る病気。先天性白内障と後天性白内障がある。後天性には、老人性白内障や糖尿病性白内障などがあり、最も多いのは老人性で、50歳以降に起こる。緑内障は眼球の内圧が異常に高くなる病気。眼内圧が高くなると視神経が圧迫されて障害を受け、視力障害が起こる。治療薬の投与や手術などで、眼内圧を正常値に戻すことが最も重要。緑内障は40〜50歳以上に多い。近年、眼内圧が低くても視神経が障害される低眼圧緑内障が問題になっている。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

白内障

加齢によって目の中の水晶体が濁り、見えなくなる病気。90年代以降、水晶体の代わりに眼内レンズを入れる手術が急速に進歩し、先進国では「日帰り手術で治る病気」になった。一方、世界全体では今も失明原因の第1位(48%)。「避けられる失明」と呼ばれ、途上国での手術の普及が課題とされる。

(2008-04-09 朝日新聞 夕刊 1社会)

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デジタル大辞泉の解説

はく‐ないしょう〔‐ナイシヤウ〕【白内障】

水晶体が混濁して視力が低下する病気。瞳孔(どうこう)が白く見えるので、白そこひともいう。糖尿病や外傷によるもの、先天性のものなどがあるが、老人性のものが多く、手術により視力の回復を図る。

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百科事典マイペディアの解説

白内障【はくないしょう】

白そこひともいう。水晶体が混濁し視力を障害する疾患。先天性のものには,遺伝などのほか妊娠初期のウイルス性疾患(風疹など)によるものがある。後天性のものには,老人性変化に伴う老人性白内障,他の眼疾患(緑内障虹彩(こうさい)炎網膜出血など)に合併する併発白内障のほか,糖尿病,外傷,内分泌異常,放射線障害などによるものがある。
→関連項目ウェルナー症候群オゾン層破壊眼内レンズ黒内障そこひ盲人

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栄養・生化学辞典の解説

白内障

 水晶体が白濁する病的状態.諸種の原因で起こる.

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食の医学館の解説

はくないしょう【白内障】

《どんな病気か?》


 目のレンズにあたる水晶体(すいしょうたい)がにごって、ものが白くかすんで見える病気です。高齢者に多く、はじめは水晶体の一部からにごりはじめ、加齢とともに進行し、最後には水晶体全体ににごりが広がります。こうなると視力も大幅に低下してしまいます。

《関連する食品》


〈ビタミンCやEの不足にも注意する〉
○栄養成分としての働きから
 水晶体をにごらせる犯人は活性酸素にあると考えられており、実際、抗酸化作用をもつカロテン、ビタミンC、Eが白内障(はくないしょう)の予防や進行を止めるというデータが数多く報告されています。とくにビタミンCは、水晶体に栄養を運ぶ房水(ぼうすい)という液体の中に高濃度で含まれていて、これによって水晶体を活性酸素の攻撃からまもっていると考えられています。
 ビタミンCはミカンやキウイに、目の疲労回復にも効くカロテンは、ニンジンやカボチャに多く含まれています。ビタミンEはブロッコリーやウナギに多く含まれ、ビタミンCといっしょにとると効率よく働きます。
 なおブルーベリーや赤ジソに含まれているアントシアニンにも抗酸化作用があり、有効です。
 ほかに、活性酸素によって生成された過酸化脂質の分解を助けるビタミンB2(レバー、サバ)や亜鉛(あえん)(カキ、牛もも肉)が不足しても、白内障の発症リスクが高まります。

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世界大百科事典 第2版の解説

はくないしょう【白内障 cataract】

水晶体が混濁した状態をいい,俗に〈しろそこひ〉ともいう。視力障害,失明の原因となる最も一般的な疾患である。水晶体は虹彩の後方,硝子体の前方に位置し,チン小帯によって眼内に保持された透明な組織であり,カメラでいえばちょうどレンズに相当する。栄養血管がないため,周囲の房水から栄養を受け,代謝を営み,その透明性を維持している。したがって,なんらかの代謝的な障害が起こると白内障の原因となる。自覚症状としては視力障害がその最たるものである。

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大辞林 第三版の解説

はくないしょう【白内障】

水晶体が灰白色に濁り、視力が衰える病気。老人性のものが最も多いが、外傷や糖尿病などによるものもある。しろそこひ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

白内障
はくないしょう
cataract

俗に「目のレンズ」とよばれる水晶体の混濁する疾患で、視力障害をおこす。白そこひ、うみそこひなどともよばれ、いろいろの種類がある。先天性と後天性に大別されるが、原因や混濁の形状および位置によっても分類される。すなわち、老人性白内障、糖尿病性白内障、外傷性白内障などの後天性白内障のほか、層間白内障、点状白内障、中心白内障、全白内障には、母親が妊娠中に風疹(ふうしん)にかかると、その子に白内障を生ずるものもある。いずれも視力が悪く、ときには失明状態になるほか、特別の症状はみられない。近年とくに老人性白内障が増加しており、筆者の外来では60歳以上で視力0.1以下の人の60%を占めている。なお、虹彩(こうさい)炎、緑内障、網膜疾患など他の眼疾患のために二次的に発生する併発白内障もあり、原疾患の軽重に予後が左右される。[桑原安治]

治療

先天性白内障は早期に手術を行わないと効果はない。古くは水晶体の切嚢(のう)術によったが、これには副作用が多い。桑原安治(やすはる)(1908―85)の開発した水晶体吸引法は、角膜に2、3ミリの切開を加えて注射器で水晶体の内容物を吸い取る方法である。これによると角膜切創がごくわずかであり、術後管理も良好で成績もよい。また、老人性白内障や成人の白内障においては中央に核ができ、加齢とともに硬度を増す。そこで1745年フランスの眼科医ダビエルJacques Daviel(1696―1762)が、角膜を3分の1ほど切開し、後嚢を残して中央の核を摘出する手術を開発した。これが嚢外摘出法である。これが安定した方法として長く行われ、その後に水晶体全体、すなわち嚢を残さず摘出する嚢内摘出法が開発された。桑原は、この有核の白内障も無核の先天性白内障のように簡単に吸引することができないものかと種々検討の結果、超音波ねじり振動を利用し、チップtipの先を60度に曲げたものが水晶体核の破砕力が強大であることを確かめ、これを利用して角膜に2、3ミリの切開を行い、そこから超音波のチップを水晶体内に挿入し、核を破砕しながら破砕片を吸引することに成功した。この方法は各年齢の白内障に応用することができた。切創が小さく、外来診療でも手術が可能である。なお、ほとんど同時にアメリカのケールマンKelmanも超音波を利用した水晶体の破砕吸引を開発したが、超音波の縦振動を用いたために核の破砕力が弱く、だいたい50歳以下の白内障に適応されている。また1970年(昭和45)ころから白内障手術の進歩は飛躍的であり、とくに手術用顕微鏡の導入が意外にも早く一般化し、それに応じて手術器具の改良、とくに手術顕微鏡用のものがつくられ、縫合材料も精密化して手術術式が大幅に変革した。現在では老人性白内障の手術は、おもに嚢内摘出法、計画的嚢外摘出法、超音波吸引法が常用されている。近年、眼内レンズ挿入法が発達してきた。前房内に挿入する方法と後房内に挿入する方法があるが、まだ一般に臨床に応用されるまでには至っていない。[桑原安治]

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世界大百科事典内の白内障の言及

【原子爆弾症】より

…また,これらの悪性腫瘍は,白血病よりも遅れて被爆後13年目以降に発症率の増加がしだいに明らかとなっている。 白内障も被爆との関係の明らかな疾病で,とくに40レム以上の放射線被曝を受けた人々(爆心地から1.6~1.8km以内)に高率に出現が認められている。そのほか,胎児期に被爆した人々にみられる小頭症および知能障害が,爆心地から1.2km以内,胎齢18週未満,ことに3~17週での被爆で認められている。…

※「白内障」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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