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胎児 たいじfetus

翻訳|fetus

7件 の用語解説(胎児の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

胎児
たいじ
fetus

哺乳類で,胎内で受精卵が発育し,出産されるまでをいう。臍帯により胎盤を通じて母体に結ばれ,人間では2本の臍動脈と1本の臍静脈による胎循環によって呼吸および栄養補給を行なっている。3ヵ月末で人間としての外形がほぼ完成,4ヵ月末では皮膚が赤みを増して内臓を透視できなくなり,5ヵ月末で毛髪,爪などの発生が始り,妊婦は胎動を感じるようになる。

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デジタル大辞泉の解説

たい‐じ【胎児】

哺乳類の母胎内にあってまだ出生しない子。人間では妊娠第8週以後の人間としての形が明らかになったものをいう。

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百科事典マイペディアの解説

胎児【たいじ】

哺乳(ほにゅう)類の母体内で生育中の新生命体。人間の場合,受精卵の着床から妊娠8週までの外観上まだ他の動物との相違がはっきりしない状態を胎芽と呼び,9週以後出産までを胎児という。
→関連項目遺伝子診断臍動脈胎位

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栄養・生化学辞典の解説

胎児

 妊娠8週を経過したあと,出生するまでの在胎中の児.この時期以前のものは胎芽という.

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

たいじ【胎児 fetus】

胎生動物の発生後期のを胎児という。精子と卵子の癒合によってできた受精卵は子宮内膜に着床して発育を続け,一個の個体となる。ヒトの場合は受精後8週までは,各胚葉からいろいろの器官の分化が終わるまでの期間なので,これまでを胎芽embryoといい,これ以後を胎児という。胎児は羊水中に浮いており,臍帯(さいたい)で胎盤とつながっている。胎盤は子宮壁につき,この中には胎児側から臍帯を通じて血管が入り込み,胎児はここでガス交換(呼吸)や物質交換を行って発育していく。

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大辞林 第三版の解説

たいじ【胎児】

哺乳類の母胎内で発育中の幼体。ヒトの場合は受胎後八週間以降をいう。民法では、母の胎内にあってまだ出生していない子をいう。損害賠償・相続・遺贈に関しては、すでに生まれたものとみなされる。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

胎児
たいじ
fetus

胎生動物の発生後期における胚(はい)で、ヒトの場合は普通、受精後8週までを胎芽embryoといい、それ以後を胎児とよんでいる。すなわち、受精後に卵分割が進み、約2週で球状の細胞集団となる桑実(そうじつ)期を経て胞胚期となるが、これまでの期間を配偶子期ともよび、子宮内膜への着床は胞胚期に行われる。これに続いて器官の分化する胎芽期に入るが、4週ころから神経系、脈管系、感覚器などが分化され始め、8週ころに各器官原基が形成されて12週までには器官形成が完成する。この器官の分化・発育に続いて、胎外生活への適応に必要な機能が完成するまでの期間を胎児期という。このうち、妊娠のごく初期である4~12週の期間中に、母体のウイルス感染(風疹(ふうしん))をはじめ、薬物服用やX線照射が要因となって胎芽病(先天異常)をおこすことがあり、この期間を奇形臨界期ともいう。
 胎児の発育は身長・体重ともに月数によって概算する方法もあるが、近年は超音波断層法によって詳しく計測されるようになった。成熟胎児の平均体重は3000グラム、身長は50センチメートルとされているが、近年は体重が増えており、標準値は2500~3800グラムとなっている。形態的には頭部がもっとも大きくて身長の4分の1を占め、顔面よりも頭蓋(とうがい)が大きい。また頭部の骨縫合は可動性で、各縫合の接点は開大していて泉門とよばれる。なお、卵膜、胎盤、臍帯(さいたい)、羊水はいずれも胎児の付属物であるが、とくに胎盤は胎児にとって重要な器官で、胎児の肺、腸、腎臓(じんぞう)などの役割を、胎盤を通して母体に代行してもらっている。[新井正夫]

胎児の血液循環

胎児は自分の肺で呼吸する必要がなくてすむ独特の血液循環を行っている。すなわち、右心房の血液の半分は卵円孔を通して直接左心房に入り、左心室を経て大動脈から全身を回る。残りの半分は右心房から右心室を経て肺動脈に入るが、大動脈と肺動脈との間にあるボタロー管から血液は大動脈に流れ込み、肺には血液がほとんど達しないばかりでなく、心臓の左右ともほぼ同量の血液が流れるようになっている。なお、全身を回った血液は臍動脈を経て胎盤に達し、母体血との間で物質交換が行われ、老廃物を渡して酸素や栄養をもらった血液は、臍静脈を経て胎児の肝臓に達し、ここから右心房へ行く。
 出産後に肺呼吸が始まると、数分のうちに卵円孔はふさがり、ボタロー管は収縮して閉ざされ、血流は成人と同様になるよう急変する。これがうまくいかないと、ボタロー管開存症など心臓奇形となる。また、胎盤との血行も出生と同時に閉鎖される。[新井正夫]

胎児の成育限界

胎児が胎外生活を行うことが可能な時期(成育限界)については、周産期医学の進歩によって早まり、日本では24週とされている。すなわち、24週以後の出産は早産となるわけであり、胎児の身長・体重は24週では30センチメートル、650グラム程度となっている。
 なお、妊娠・出産時における胎児についてはそれぞれ「妊娠」「出産」の項目を参照されたい。[新井正夫]

法律問題

胎内にある出生前の子をいう。人は出生によって権利の主体となる人格(権利能力)を取得するのを原則とするため、胎児には権利能力がない(民法3条1項)。しかし、この原則を貫くと、胎児は相続することができないなどの不利益を生ずることとなる。そこで、胎児は、損害賠償の請求権(民法721条)、相続(同法886条)、および遺贈(同法965条)については、すでに生まれたものとみなされ、権利能力を有するものとして取り扱われる。ただし、死産であってはならず、生きて産まれることを要する。
 また、未婚の女性が妊娠しているときに、胎児の父はその女性(母)の承諾を得て胎児を認知することができる(同法783条)。さらに、刑法も胎児を保護しており、母体保護法によって認められている人工妊娠中絶事由(母体保護法14条)に該当しないときは、堕胎罪(刑法212条~216条)となるものとしている。さらに、近時は、体外受精が行われるようになった結果、受精卵も胎児か、胎児でないとしても胎児に準じて法的に保護されるかが論じられている。これは、受精卵を破壊したりした場合にどのような法的責任を負うかなど受精卵の取扱いとの関係で生じてきた問題であり、今後立法論的にも解決されなければならない問題である。[石川 稔・野澤正充]

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世界大百科事典内の胎児の言及

【遺贈】より

…ただし,受遺者となるためには,遺言が効力を生ずるときに生存ないし存在していなければならない(994条1項)。しかし,胎児は遺贈についてもすでに生まれたものとみなされるし(965条による866条の準用),設立中の法人も,胎児と同様,受遺者たりうるものと解されている。遺贈義務者は相続人である。…

【出産】より

…分娩(ぶんべん)ともいう。胎生の動物で母体内での発達を終えた胎児(胎子)が母体から放出されること。妊娠期間,産子数,出産時の胎児の状態などは,動物の種類によって異なる。…

【妊娠】より

…哺乳類では,妊娠は,受精卵が発生しはじめ,胚盤胞の状態で子宮壁に着床したときから始まり,出産のときに終わる。胚と母体とを連絡している組織を胎盤といい,母体側に由来するものを母性胎盤,胚由来のものを胎児性胎盤という。哺乳類の場合,子宮壁から黄体ホルモンの作用によって,母性胎盤が生じる。…

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