日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラバン・ワロン」の意味・わかりやすい解説
ブラバン・ワロン
ぶらばんわろん
Brabant wallon
ベルギー中央部の州。ベルギーが連邦制に移行した後の1995年に旧ブラバン州が二分され、北部はオランダ語地域であるフラームス・ブラバント州となり、南部のフランス語(ワロン語)を話すワロン人の住む地域がブラバン・ワロン州となった。首都ブリュッセル南方の中央台地に位置し、面積1091平方キロメートル。人口35万5207(2002)。州都はワーブルWavre(人口3万1526。2002)。北部は都市化が著しく、西部はフラームス・ブラバント州から連続する化学、綿、食品加工などの工業地帯になっている。東部はベルギーの代表的な小麦生産地帯であり、またブドウ栽培でも有名である。州の中央部に位置するルーバン・ラ・ヌーブLouvain-la-Neuveは、中世都市をイメージした都市計画で発展し、ルーバン(ルーフェン)にあったルーバン・カトリック大学のフランス語系部門が分離独立して1972年から79年にかけて移転、1万8000余の学生からなる新ルーバン・カトリック大学が誕生した。また同地には大学の移転と同時期に最先端の工業団地を備えたニュータウンも建設された。
[川上多美子]