ニュータウン(読み)にゅーたうん(英語表記)new town

翻訳|new town

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニュータウン」の意味・わかりやすい解説

ニュータウン
にゅーたうん
new town

広義には計画的に新しく建設された都市を意味し、日本では東京周辺の多摩、横浜の港北、名古屋周辺の高蔵寺、大阪周辺の千里泉北のように、大都市郊外に造成された新しい都市に名づけられている。しかし元来は、イギリスの地方計画で、第二次世界大戦後、新都市法New Town Actによって計画、建設された新都市をさす。ロンドン大都市計画では、1946年のスティブネージをはじめ、クローレイ、ハーロー、ヘメル・ヘムステッド、ハットフィールド、ウェリン・ガーデン・シティ(ウェルウイン)、ブラックネル、バジルトンの8都市がつくられた。その後さらに多くの新都市が生まれ、そのなかには既存の小都市を核とし、これに新しい市域を付加して建設した新都市もある。日本のニュータウンは都市周辺に建設されているので、形態的にはイギリスのニュータウンに類似するが、雇用の場が少ないので、イギリスのそれとは異なる。日本のニュータウンが建設されてから30年以上も経過し、住民の高齢化、集合住宅の建替え、諸施設の老朽化、学校の統廃合の問題などが生じている。

[山鹿誠次・菅野峰明]

『中央大学社会科学研究所編『地域社会の構造と変容――多摩地域の総合研究』(1995・中央大学出版部)』『福原正弘著『ニュータウンは今――40年目の夢と現実』(1998・東京新聞出版部)』『高橋賢一著『連合都市の計画学――ニュータウン開発と広域連携』(1998・鹿島出版会)』『福原正弘著『甦れニュータウン――交流による再生を求めて』(2001・古今書院)』

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