日本大百科全書(ニッポニカ) 「フラームス・ブラバント」の意味・わかりやすい解説
フラームス・ブラバント
ふらーむすぶらばんと
Vlaams-Brabant
ベルギー中央部の州。ベルギーが連邦制に移行した後の1995年に旧ブラバン州が二分され、南部はフランス語地域であるブラバン・ワロン州となり、北部のオランダ語(フラマン語)を話すフラマン人居住地域がフラームス・ブラバント州となった。フランドル平野と中央台地間の丘陵地帯に位置し、面積2106平方キロメートル、人口102万2821(2002)。州都はルーフェン(フランス語名ルーバン)。州西部はアントウェルペン―ブリュッセル―シャルルロアを結ぶベルギーの重要な工業地域の中央部にあたり、運河、鉄道、幹線道路沿いに電気機械、電子、精密機械、化学繊維、既製服、印刷、食品、たばこなど、さまざまな工業が発達している。ブリュッセル周辺部は都市化が著しい。またチコリーやメキャベツなどの野菜や花卉(かき)の温室栽培は有名である。東部は肥沃(ひよく)な農業地帯で小麦、テンサイ(サトウダイコン)、飼料作物栽培、養鶏、養豚がみられ、ティーネンTienenには製糖工業も立地する。なお、オランダには歴史的に深い関連を有していたノールト・ブラバント州がある。
[川上多美子]