ベルギー中部、フラームス・ブラバント州の州都。大学都市でもある。首都ブリュッセルの東郊に位置する。人口8万9152(2002)。オランダ語(フラマン語)地域。フランス語名ルーバンLouvain。中世に毛織物工業都市として発展したが、14世紀末、職人と産業資本家の対立抗争で衰退。ブラバン公支配下でブラバンの首都となった。1425年にはブルゴーニュ公国のジャン5世によりルーバン・カトリック大学が創設され、低地地方(ネーデルラント)唯一の大学として各地より学生を集め、人文主義者エラスムスなども滞在する学問研究の中心となった。しかし、ワロン人とフラマン人の言語紛争の結果、1968年、大学はオランダ語部門とフランス語部門に2分割され、フランス語部門は分離独立して、ブリュッセル南郊のフランス語(ワロン語)地域であるブラバン・ワロン州のルーバン・ラ・ヌーブLouvain-la-Neuveに1972年から79年にかけて移転した。肥沃(ひよく)な農業地域を控え、製粉、ビール醸造、缶詰工業がみられたが、第二次世界大戦後は電子工業も発展している。1914年の火災や44年の爆撃で市街は破壊されたが復興した。15世紀起源の市庁舎やサン・ピエール教会などが残っている。
[川上多美子]
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