ブレチネイデラ(その他表記)Bretschneidera sinensis Hemsl.

改訂新版 世界大百科事典 「ブレチネイデラ」の意味・わかりやすい解説

ブレチネイデラ
Bretschneidera sinensis Hemsl.

残存植物の一つとみられる1科1属1種の落葉樹で,中国中南部の標高500~1500mの山地に分布し,高さ10~20mになる。葉は長さ約80cmにもなる奇数羽状複葉で互生し,7~15枚の楕円形~狭卵形の小葉をもつ。花序は長さ20~30cmの複総状花序で頂生する。花は径約4cm,花弁は紅色で5枚,萼は鐘状,おしべは8本(ときに5~9本)。子房は3室で各室に2胚珠がある。果実は長径2~4cmの楕円球形の蒴果(さくか)。はじめトチノキ科に置かれていたが,葉や幹および根の師部などにミロシン細胞の存在することが発見され,ブレチネイデラ科として独立させられた。この細胞はアブラナ科,フウチョウソウ科,ワサビノキ科など限られた植物群に見いだされる特異な細胞で,配糖体シニグリンをカラシ油D-グルコース加水分解する酵素ミロシナーゼ(ミロシン)を含む。分類学上ブレチネイデラ科はフウチョウソウ科やマメ科のカワラケツメイ亜科のほか,トチノキ科,ムクロジ科との近縁関係が考えられ,ふつうムクロジ目に置かれている。
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