プナルア婚(読み)プナルアこん(英語表記)Punaluan marriage

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プナルア婚」の意味・わかりやすい解説

プナルア婚
プナルアこん
Punaluan marriage

自己の配偶者がそのキョウダイと性関係を持つことを容認する家族形態を指す概念。 19世紀の進化主義人類学の中で,アメリカの人類学者 L.H.モルガンは,性関係と婚姻結合を中心にした社会生活の進化を現代社会に存在する各種の親族名称体系から演繹 (えんえき) し,原始乱婚の状態から,キョウダイ間の性関係を容認する集団婚を経て,母系社会,そして父系社会へと単系的に進化したと考えた。プナルア婚は,このようなモルガンの進化論の中で,理論的に「トラウン・ガノワノ型」と呼ばれる親族名称体系 (父と父の兄弟,母と母の姉妹に同じ親族名称を用いる) から演繹されたものである。モルガンは,このプナルア婚を,社会進化の過程における,完全な母系社会の出現としてとらえていた。

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