プラズマ融解炉(読み)ぷらずまゆうかいろ(その他表記)plasma furnace

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プラズマ融解炉」の意味・わかりやすい解説

プラズマ融解炉
ぷらずまゆうかいろ
plasma furnace

不活性気体の高温プラズマを利用して金属を溶解する炉。高融点金属、高合金鋼、高品質鋼の製造に用いる。金属は電気の良導体であるので熱効率上溶解する金属を対極すなわち陽極とし、陰極としてタングステン電極とするプラズマトーチをおもに用いる。放電電源には直流を用いる。プラズマアーク炉は通常のエルー炉の炉体に黒鉛電極のかわりに何本かの非消耗のプラズマトーチおよび炉床に水冷銅ブロックの電極を取り付けたもので、30トン規模の炉も稼動している。プラズマ誘導炉はプラズマアーク加熱に誘導加熱攪拌(かくはん)を加え、溶解および精錬能力を高めたもので、脱酸、脱炭反応の促進や、スラグ精錬も容易である。近年水素プラズマを利用し、鉄鉱石から直接に鋼をつくる溶融還元法の試みも行われている。

[井口泰孝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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