山川 世界史小辞典 改訂新版 「プリズレン連盟」の解説
プリズレン連盟(プリズレンれんめい)
League of Prizren
オスマン帝国支配下のアルバニア人の統合と自治を求める組織。19世紀後半,移住したアルバニア人の影響を受けて,帝国内のアルバニア人の間で民族運動が進められた。この時期,アルバニア人はオスマン帝国の行政上,4州に区分。周辺のブルガリア人やモンテネグロ人の領土拡大の動きが進行するなかで,1878年,アルバニア南部の豪族アブドゥル・フラシャリの呼びかけで,アルバニア人居住地域からイスラーム,東方正教,カトリックの3宗教すべての代表を含む80人がコソヴォのプリズレンに参集し,プリズレン連盟を結成してアルバニア人居住地域を一つの州に統合し,その自治を求めた。オスマン帝国はこれを認めず,81年には解散させられた。現在のアルバニア史学では,プリズレンは「聖地」ととらえられている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報