フラシャリ(読み)ふらしゃり(英語表記)Naim Frashëri

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フラシャリ」の意味・わかりやすい解説

フラシャリ
Frashëri, Naim

[生]1846.5.25.
[没]1900.10.20. イスタンブール
アルバニア詩人オスマン帝国に対する独立運動を支持し,国民文学確立のために努力した。代表作,田園詩牧畜農業』 Bagëti e bujqësia (1886) ,詩集『春の花』 Lulet e verës (90) ,『天国と飛翔する言葉』 Parajsa dhe fjala fluturake (94) ,叙事詩『スカンデルベウの物語』 Istori e Skënderbeut (98) 。 (→アルバニア文学 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フラシャリ」の意味・わかりやすい解説

フラシャリ
ふらしゃり
Naim Frashëri
(1846―1900)

アルバニアの詩人。近代文学と文語の確立者でもある。南アルバニアの出身で、兄弟のアブジュル、サミとともに1870~80年代の民族独立運動でも主導的な役割を果たした。初期にはトルコ文学ペルシア文学の影響を受けながら詩作を始め、のちにギリシア古典文学に親しみ、またフランス啓蒙(けいもう)思想の影響も受けた。代表作の田園叙事詩『牧歌と農事詩』(1886)、『夏の花』(1890)では祖国山河に対する愛が歌われ、叙事詩『スカンデルベグ物語』(1898)では反トルコ闘争の民族的英雄の姿が描かれている。

[直野 敦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例