プロピレンオキシド

化学辞典 第2版 「プロピレンオキシド」の解説

プロピレンオキシド
プロピレンオキシド
propylene oxide

1,2-epoxypropane.C3H6O(58.08).酸化プロピレン,メチルオキシラン(methyloxirane)ともいう.実験室的には,2-クロロプロパノールをアルカリで処理すると得られる.工業的には,従来よりプロペンと次亜塩素酸との反応で得られるプロピレンクロロヒドリンの脱塩化水素によって製造されている.近年では,プロペンを各種ヒドロペルオキシドにより酸化する方法(ハルコン法)が開発されている.ハルコン法でエチルベンゼンヒドロペルオキシドを用いると,プロピレンオキシドとメチルベンジルアルコールが生成し,後者を酸触媒を用いて脱水するとスチレンが併産される.ほかにtert-ブチルペルオキシドを用い,イソブテンを併産する方法がある.最近,チタノシリケートを触媒に用い,液相で過酸化水素によりプロペンを酸化する直接酸化法が工業化されている.光学異性体をもつ.エーテル臭を有する引火性の無色の液体.融点-112 ℃,沸点33.9 ℃.0.826.1.363.水および有機溶剤に可溶.溶解力がとくにすぐれており,合成および天然の樹脂,各種有機物質の低沸点溶剤に用いられる.また,プロパンジオールをはじめ,界面活性剤合成樹脂,溶剤などの合成原料となる.有毒.[CAS 75-56-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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