化学辞典 第2版 「ハルコン法」の解説
ハルコン法
ハルコンホウ
Halcon process
アメリカのHalcon International社が開発した酸化プロペンの合成法.種々の変法があるが,エチルベンゼンとプロペンからスチレンと酸化プロペンを併産する方式が代表的である.エチルベンゼンを空気酸化してヒドロペルオキシドとし,ナフテン酸モリブデンなどの油溶性モリブデン触媒を用い,または2~7 MPa,100~130 ℃ の反応条件下に液相でプロペンと反応させると,酸化プロペンとメチルベンジルアルコールを生成する.後者は酸化チタン触媒により接触的に脱水するとスチレンが得られる.酸化プロペンとスチレンの収率は高く,これらの同時合成法として有利な方式と認められている.エチルベンゼンのかわりにイソブタン,イソペンタンなどを用いると,それぞれに対応するアルコールを中間体として,イソブテン,イソペンテンなどが酸化プロペンとともに得られる.一般に,炭化水素をRHで表すと,反応は次式のように表される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報