日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベカー高原」の意味・わかりやすい解説 ベカー高原べかーこうげんBekaa レバノン東部にあって、レバノン山脈とアンティ・レバノン山脈の間に横たわる高原。南北長約120キロメートル、東西幅8~15キロメートルで広がり、平均標高約1000メートル。北部にはオロンテス川が北流し、南部ではリタニ川が南流する。気候はかなり乾燥するが灌漑(かんがい)水路が発達し、肥沃(ひよく)な沖積土に恵まれ、小麦、リンゴ、オレンジ、ブドウ、ワタ、野菜などを産する。道路交通の要衝ザフレや、ローマ時代の都市遺跡が所在するバールベックなどの集落がある。バールベックは現在シリアの支配地域で、パレスチナ解放機構(PLO)シリア派などの部隊が駐留する。[末尾至行] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例