改訂新版 世界大百科事典 「オロンテス川」の意味・わかりやすい解説 オロンテス[川]Orontēs[ギリシア] レバノンのベカー高原のバールベク地方を源流とし,シリアのホムスやハマーを北方に貫流,トルコのアンタキヤ近くで地中海に注ぐ川。シリア西部最大の川で,全長約497km。アラビア語ではナフル・アルアシーNahr al-`Aṣī,現トルコ語ではアシAsi川。シリアの灌漑・土地開発にとって重要な水資源の一つとなっている。1963-69年にこの川を利用してラスタン・ダム,メハルダ・ダムや水路網などが建設され,ハマーの北東にあるガーブ沼沢地が7万2000ha開発され,さらに4万9000haが開発中である。しかし,河水の利用に関しては,現在までレバノンとの間にいかなる合意もなされていない。執筆者:木村 喜博 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オロンテス川」の意味・わかりやすい解説 オロンテス川オロンテスがわOrontes アラビア語でアーシー川。シリアの代表的灌漑河川。レバノンのビカー高地バールベックの北部に源を発し,並行するレバノン山脈とアンティレバノン山脈の中間を北へ流れ,シリアに入ってホムス湖 (灌漑用ダム) ,ハマーを経てガーブ低地を流れ,トルコ国境で西流してトルコ領に入り,アンチオキアでアスク川と合流,サマンダクで地中海へ注ぐ。長さ 400km,年平均流量 25億m3。船舶の航行には利用できない。水はラスタンとマハレッドにあるダムに貯水し,ホムスとハマーの間で3万 4400haに上る土地を灌漑している。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by