地質的に年代がもっとも新しい第四紀完新世に河川の流域や海岸平野のデルタなどの低地で、水によって運搬され堆積(たいせき)した土砂や海底にたまった土砂が陸化し、土壌生成作用を受けてできた土壌で、低地土ともいう。古い湖沼の跡にみられる泥炭土や黒泥土のような堆積土、地下水位の高い谷底や窪地(くぼち)にみられるグライ土、低地に降灰した新期火山灰に由来する土壌などは除外される。日本の沖積土の大半は水利条件がよいので水田に利用されている。一般に材料が新しく生成年代が若いので、土壌としての断面形態がほとんど発達していないものが多い。洪水による氾濫(はんらん)、堆積を受けるデルタなどの地帯では土壌がしばしば更新され、植物養分に富んだ肥沃(ひよく)な土壌がつくられやすい。
[小山雄生]
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