沖積土(読み)ちゅうせきど

日本大百科全書(ニッポニカ)「沖積土」の解説

沖積土
ちゅうせきど

地質的に年代がもっとも新しい第四紀完新世に河川の流域や海岸平野のデルタなどの低地で、水によって運搬され堆積(たいせき)した土砂や海底にたまった土砂が陸化し、土壌生成作用を受けてできた土壌で、低地土ともいう。古い湖沼の跡にみられる泥炭土や黒泥土のような堆積土、地下水位の高い谷底や窪地(くぼち)にみられるグライ土、低地に降灰した新期火山灰に由来する土壌などは除外される。日本の沖積土の大半は水利条件がよいので水田に利用されている。一般に材料が新しく生成年代が若いので、土壌としての断面形態がほとんど発達していないものが多い。洪水による氾濫(はんらん)、堆積を受けるデルタなどの地帯では土壌がしばしば更新され、植物養分に富んだ肥沃(ひよく)な土壌がつくられやすい。

[小山雄生]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「沖積土」の解説

沖積土
ちゅうせきど
alluvial soil

河川の運搬堆積物から成る沖積平野の土壌。地質学的に新しい土地であるから,土壌としての生成と成熟化を受けるまでにいたらず,特定の気候条件を反映した成帯土壌には属していない。沖積性堆積物は礫質や粗粒物質から細粒の泥土にいたるまで,同一地点の垂直方向に,また同じ平坦地の水平方向の位置の違いで多様に変化し,それらが沖積土としての土性 (土粒のあらさ) や水分含量などに微妙に反映する。近年の氾濫堆積物から成る沖積土は有機物を含み,ときには農耕上肥沃な土壌である。

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岩石学辞典「沖積土」の解説

沖積土

河川堆積物として形成され,層序がまだ発達していない土壌.古い沖積では層序が発達することもあるが,一般にA層位が弱く発達し新しい物質が周期的に加えられるので完全な断面の発達が妨げられる.排水の悪い沖積層では湿潤的な土壌となる[Ramann : 1908, Ollier : 1969].ワープ土壌(warp soil)[Ramann : 1928].

沖積土

葉層をもった細粒の最近の堆積物(Lyell : 1835].しかしトリマーおよびフィッシャー氷河堆積物に伴われるものとした[Trimmer : 1851, Fisher : 1866].氷河に伴われるものはブラィアンによりcongeliturbateと分類された[Bryan : 1946].低地に水が溢れて沈澱した土.

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百科事典マイペディア「沖積土」の解説

沖積土【ちゅうせきど】

低地土ともいう。比較的新しい地質時代,おもに完新世に堆積し,層位分化のまだ発達の弱い土壌群の総称。未熟沖積土,灰色沖積土(灰色の母材の上に腐植層が分化),褐色沖積土(腐植層と母材の中間に褐色の層が分化),レンジナ状沖積土,チェルノーゼム状沖積土等に分類。

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精選版 日本国語大辞典「沖積土」の解説

ちゅうせき‐ど【沖積土】

〘名〙 沖積統を構成する土壌。
※断橋(1911)〈岩野泡鳴〉九「北海道の川は〈略〉沖積土の崩れ易い地盤の広野を甚しく右曲左折」

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