小麦(読み)コムギ

デジタル大辞泉の解説

こ‐むぎ【小麦】

イネ科の一年草。高さ約1メートル。は節のある円筒状で、葉は細長く、基部は茎を抱く。5月ごろに穂状の花をつけ、実は楕円形で溝があり、熟すと褐色になる。西アジアの原産で、重要な穀物として世界中で栽培。多くの品種があり、春小麦冬小麦とに大別される。実を主に粉にひいてパンなどの原料にする。まむぎ。パン小 夏》

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

小麦

自給率1割と輸入に頼る小麦だが、消費者の国産志向や国際価格の上昇を背景に、使い手から道産品への注目は高まっている。国内の小麦生産の68%を北海道が占め、道産小麦の45%が十勝産。国内産の3割が十勝産という計算になる(2012年)。道産の品種は、「きたほなみ」(ホクシンの後継種で、麺に向く中力)、「春よ恋」(もちもち感が特徴の強力)などがあり、超強力の「ゆめちから」が加わったことで、パンのほかにパスタなど用途も広がりつつある。江別製粉(江別市)に長く勤め、国産小麦普及のアドバイザー役となってきた佐久間良博さん(64)は「食パンなどで国産が外国産粉の増量剤に使われた時代を考えると、この10年の追い風は大きな変化」と話す。ただし生産コストの競争には限度があり、国産の安全・安心を訴えるだけでは広がりがない。「これから追求すべきは、日本人に合った味わいでしょう」

(2014-07-28 朝日新聞 朝刊 北海道総合)

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食の医学館の解説

こむぎ【小麦】

《栄養と働き》


〈米よりもビタミンB群、カルシウムが豊富〉
 小麦(こむぎ)イネ科の越年草で、主食とする国がもっとも多いため、生産量は食用作物中世界第1位です。
 現在の小麦の発祥地は黒海からカスピ海のオリエントで、およそ1万年前から栽培されています。その歴史は古く、人類最初の作物ともいわれています。
○栄養成分としての働き
 糖質が主成分ですが、たんぱく質、カルシウム、鉄分、食物繊維などは精白米よりも多く含んでいます。ただし、たんぱく質の質のよしあしを決めるアミノ酸スコアは44点と、米の65点にくらべて低いため、たまごや肉、乳製品と組み合わせて食べることがたいせつです。
○漢方的な働き
 漢方では神経症、イライラ、更年期の不定愁訴(ふていしゅうそ)などの症状改善に使われます。
 常食すれば胃腸が丈夫になり、食欲がでて精力がつき、慢性の下痢(げり)を止める効用も期待できます。
 腎臓が弱っている人、腸が弱くて下痢をしやすい人、寝汗をかいて眠れない人などに適した食品といえましょう。

《調理のポイント》


 小麦はそのままでは、しょうゆ、味噌の原料に使われますが、ほとんどは小麦粉として利用されます。
 小麦は粒のかたさによって、硬質小麦中間質小麦、軟質小麦の3種類があり、製粉される小麦粉のタイプもちがってきます。
 軟質小麦はおもにケーキや菓子、てんぷらの衣などに使われる薄力粉(はくりきこ)、硬質小麦はおもにパンやパスタ、中華麺(めん)などに使われる強力粉(きょうりきこ)、中間質小麦はうどんやひやむぎなどをつくる際に使われる中力粉(ちゅうりきこ)となります。
 小麦粉を使った料理では、お好み焼きやすいとんなどがあります。
 ところで、小麦粉になるのはおもに胚乳(はいにゅう)部分で、皮と胚芽(はいが)は除かれてしまいます。ビタミンやミネラルなどの栄養をとりたい場合は、粒全体をそのままひいた全粒粉(ぜんりゅうこ)がおすすめです。製粉時に除かれる皮と胚芽は、小麦ふすまとして飼料に使われていますが、最近では栄養補助食品として注目されています。
 ちなみにふすまは布袋に入れて入浴剤として利用すると、酵素(こうそ)の働きで肌がツルツルになります。
○注意すべきこと
 小麦には体を冷やす作用があるので、冷え症の人は多用するのをひかえましょう。
〈血液循環をよくし、細胞の老化を防止する小麦胚芽の威力〉
 小麦の胚芽部分だけを集めて食べやすくしたものが小麦胚芽です。ビタミンB1、B2、食物繊維が豊富なので、糖質の代謝を促進し、疲労回復、便秘解消に役立ちます。
 そして、なんといってもビタミンEが多く含まれている点が小麦胚芽の特徴です。血行をよくし、新陳代謝を活発にして細胞の老化を防ぐ働きがあります。これらの働きは、動脈硬化予防や美肌にも有効です。
 小麦胚芽は米と混ぜて炊(た)いたり、揚げものの衣に利用するといいでしょう。また、クッキーのタネやホットケーキに加えても香ばしさがプラスされておいしくなります。

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大辞林 第三版の解説

こむぎ【小麦】

イネ科の一年草。秋まき、または春まきとする。西アジア原産と推定され、重要な穀物として古くから栽培。多くの品種がある。茎は高さ約80センチメートル。葉は広線形。花穂は晩春に出て、小穂を中軸上に交互につける。芒のぎは細くて柔らかい。芒のない品種もある。オオムギに比べ、生育期間は長いが不良環境に耐える。種子は主に小麦粉とし、種々の食品に加工するほか、味噌・醬油・飼料とする。茎は麦わら細工・敷きわらなどに利用。

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動植物名よみかた辞典 普及版の解説

小麦 (コムギ)

学名:Triticum aestivum
植物。イネ科の一~二年草,薬用植物

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精選版 日本国語大辞典の解説

こ‐むぎ【小麦】

〘名〙 イネ科の一~二年草。アフガニスタンからカスピ海地域原産で、古くから世界各地で栽培されている。品種の数は多く、秋まき小麦と春まき小麦に大別される。稈は高さ〇・九~一・五メートル。節があり、節間は中空。葉は細い剣状で基部は鞘(さや)となって茎を包む。花穂は稈の先端につき長さ六~一二センチメートルの紡錘形。芒(のぎ)のあるものとないものがある。種子は楕円形で縦溝が一本ある。種子から、みそ、しょうゆなどをつくり、粉にしてパン、めん類、菓子などの原料にする。茎は屋根ふき、麦わら細工、家畜の飼料などに用いる。漢名、小麦。まむぎ。《季・夏》
※正倉院文書‐天平二年(730)一二月二〇日・大和国正税帳「用肆拾束 小麦一斛直廿束」

しょう‐ばく セウ‥【小麦】

〘名〙 こむぎ。
※サントスの御作業(1591)二「Xôbacuno(ショウバクノ) コノ イリタル カゴ」

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