改訂新版 世界大百科事典 「ベスレヘムスチール会社」の意味・わかりやすい解説
ベスレヘム・スチール[会社]
Bethlehem Steel Corp.
アメリカでUSスチール社(現,USX Corp. の鉄鋼部門)に次ぐ銑鋼一貫メーカー。本社ペンシルベニア州ベスレヘム。1904年,ベスレヘムのリーハイ川沿いの中小鉄鋼メーカーが集まって設立され,20~30年代に中西部と太平洋岸の鉄鋼メーカーを合併し,全国的な規模に拡大した。主力製鉄所はメリーランド州のスパローズ・ポイントであるが,60年代後半にアメリカでは最新鋭の大型製鉄所をインディアナ州バーンズ・ハーバーに建設した。生産品は建設,機械,橋梁,軍艦,戦車向けの重量鋼材が多くを占め,自動車向けの薄板やエネルギー関連のパイプはそれほど多くはない。アメリカの大手鉄鋼メーカーは経営多角化を進めているところが多いが,ベスレヘム・スチール社は71年にプラスチック玩具メーカーを買収したのが目立つ程度で,あまり多角化していない。売上高の9割以上を鉄鋼および同加工製品が占め,残りは造船,石炭,プラスチックなどである。鉄鋼専業路線を打ち出し,鉄鋼生産設備の合理化に投資を集中している点に特色がある。売上高48億ドル(1994年12月期)。
執筆者:下田 雅昭
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