ベスレヘム(読み)べすれへむ(その他表記)Bethlehem

翻訳|Bethlehem

デジタル大辞泉 「ベスレヘム」の意味・読み・例文・類語

ベスレヘム(Bethlehem)

ベツレヘム
南アフリカ共和国中東部、自由州の都市。ドラケンスバーグ山脈北麓、標高約1700メートルの高原に位置し、ヨルダン川に沿う。交通の要地であり、農畜産物の集散地。南東約30キロメートルにゴールデンゲートハイランド国立公園がある。
米国ペンシルベニア州東部の都市。リーハイ川沿いに位置する。1741年にモラビア兄弟団の信徒により建設。19世紀半ばより、製鉄業の中心地の一つとなり、ベスレヘムスチール社の企業城下町として発展した。リーハイ大学、モラビアン大学が所在。

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精選版 日本国語大辞典 「ベスレヘム」の意味・読み・例文・類語

ベスレヘム

  1. ( Bethlehem )
  2. [ 一 ]ベツレヘム
  3. [ 二 ] アメリカ合衆国東部、ペンシルベニア州の工業都市。鉄鋼、機器、化学薬品製造工業が盛ん。毎年五月にバッハ‐フェスティバルが開催される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベスレヘム」の意味・わかりやすい解説

ベスレヘム(パレスチナ)
べすれへむ
Bethlehem

エルサレムの南約9キロメートル、標高約750メートルの丘陵地帯に位置するパレスチナの町。ヘブライ語のベート・レヘムは「パンの家」の意。現今のアラビア名はベート・ラハム。ベスレヘムは英語読み。この町は、古来ダビデ王の故郷として、またメシア(「油注がれた者」の意)出現の地として伝えられてきた。マタイはこれをイエス降誕の預言とみなし、この預言はイエスの誕生によって実現した。東方の博士たちが黄金、乳香、没薬(もつやく)などの贈り物を持って星に導かれて嬰児(えいじ)イエスを拝するために訪れたのも、羊飼いが天からの告知を聞いて礼拝にきたのも、またヘロデ王によって幼児殺害が行われたのも、この地であったと伝えられている。ベスレヘムにはイエス降誕の地とみられる諸洞窟(どうくつ)が残っている。4世紀にローマ皇帝コンスタンティヌス大帝(最初のキリスト教徒皇帝)が、町の東の洞窟の上にハドリアヌス帝の時代に建てられたアドニスタンムーズ)の神殿を壊して、聖誕教会(降誕教会)を創建したが、同教会はその後529年にサマリア人の反乱によって破壊され、東ローマ皇帝ユスティニアヌス帝(在位527~565)の命令で修復・再建された。以後現在に至るまでキリスト教の聖地として継続的に使用されている。

 町の東方はなだらかな斜面をなし、その下にのどかな田園が開けている。住民の多くはブドウ栽培、羊の飼育などに従事する農民および手工業者である。ちなみに、日本人で古くこの地を訪れたのは徳冨蘆花(ろか)である(1906年=明治39)。

[高橋正男]


ベスレヘム(南アフリカ共和国)
べすれへむ
Bethlehem

南アフリカ共和国、自由州(旧オレンジ自由国州)東部の都市。ドラケンスベルク山脈の標高1640メートル、ヨルダン川に沿う高原上に位置する。人口5万7127(1996)。1899年に建設され、市名の由来は『旧約聖書』にちなむ。鉄道の十字路にあたり、山岳観光地のゴールデン・ゲートやクルーフ・パークへの観光拠点となっている。小麦、羊毛、ウシなど農畜産物の集荷場で農産物加工業も発達している。

[林 晃史]


ベスレヘム(アメリカ合衆国)
べすれへむ
Bethlehem

アメリカ合衆国、ペンシルベニア州東部、リーハイ川に臨む都市。人口7万1329(2000)。19世紀末におこった鉄鋼業の国内有数の中心地で、1904年創業のベスレヘム・スチール社を主軸に多種の鉄鋼製品が製造され、調査・研究所の数も多い。1741年にキリスト教モラビア派の信徒により建設され、1917年より市制が施行された。教育と音楽にはとくに力を入れ、1898年にはバッハ・クワイア(聖歌隊)が結成されており、毎年リーハイ大学で開催されるバッハ・フェスティバルは有名である。市内にはモラビア教会(1803建設)など多くの古い建物が残されている。

[作野和世]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベスレヘム」の意味・わかりやすい解説

ベスレヘム
Bethlehem

パレスチナヨルダン川西岸にある町。エルサレムの南 8km,パレスチナ中央山脈,死海まで続く「ユダの丘」の端に位置し,エルサレムに通じる道に沿っている。アラビア語では「肉の家」を意味するバイトラフム Bayt Laḥm,ヘブライ語では「パンの家」を意味するベツレヘム Bet Leḥmという。イエス・キリストの生誕地と信じられている。330年頃,コンスタンチヌス1世の母ヘレナが,イエスが誕生したと伝えられる洞窟の上に聖誕教会を建築,その後 6世紀頃ユスチニアヌス1世が今日の形に再建した。前14世紀の記録に町の名が現れているとされている。長い間キリスト教徒の巡礼聖地で,付近の村や荒地の遊牧民の交易所として発展。16世紀頃からオリーブ材や真珠貝の細工が発達した。1950年ヨルダンに編入されたが,1967年以降イスラエルの占領下にある。2012年,聖誕教会と巡礼路が世界遺産の文化遺産に登録された。人口 2万9019(2005推計)。

ベスレヘム
Bethlehem

アメリカ合衆国,ペンシルバニア州東部にある都市。レイ川の両岸の丘陵にあり,フィラデルフィア北西約 80kmに位置する。 1741年信教の自由とインディアンへの布教を目的にボヘミアとモラビアから移民したモラビア兄弟団信者によって創設された。 1857年に最初の製鉄所が建設され,続いて 1904年ベスレヘム・スチール社が進出し,アメリカ有数の製鉄都市に発展。そのほか,セメント,鋳物,機械,金属,電気機械などの工場も立地。アメリカ最初の女子寄宿学校モラビアンセミナリー (1742創立) ,モラビアン大学,レイ大学がある。音楽都市としても国際的に有名で,毎年5月にバッハ祭が開催される。人口7万 1428 (1990) 。

ベスレヘム
Bethlehem

南アフリカ共和国中東部,自由州北東部の町。クローンスタート南東約 115km,ドラケンスベルク山脈西麓,標高 1600mに位置。農牧業地帯の中心地,物資集散地で,穀物倉庫,冷凍貯蔵庫などを備える。食品加工(製粉,酪製品,醸造)が盛んなほか,家具製造,鉄道修理工場がある。南東約 50kmにゴールデンゲートハイランズ国立公園がある。人口 1万1819(2001)。

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改訂新版 世界大百科事典 「ベスレヘム」の意味・わかりやすい解説

ベスレヘム
Bethlehem

アメリカ合衆国ペンシルベニア州東部の工業都市。人口7万1329(2000)。合衆国製鉄業の中心地の一つで,ベスレヘム・スチール(会社)の所在地。工業活動は製鉄業と鋳物,機械が中心で,そのほかに化学薬品,セメント,電気器具製造などがある。1740-41年にモラビア兄弟団の信徒(チェコ兄弟団)によって集落が建設され,1845年に町となり,1917年に市制施行。リーハイ大学,モラビアン大学の所在地。
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百科事典マイペディア 「ベスレヘム」の意味・わかりやすい解説

ベスレヘム

米国,ペンシルベニア州東部の工業都市。リーハイ川に臨む。ベスレヘム・スチール会社の本拠地で,鋼鉄,機械などの工業が盛ん。1740年―1741年モラビア兄弟団の信徒が創設。7万4982人(2010)。
→関連項目ペンシルベニア[州]

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