普及版 字通 「ベン・メン・くらい」の読み・字形・画数・意味
17画
(異体字)
17画
[字訓] くらい
[説文解字]
[字形] 会意
宀(べん)+(べん)。宀は屋、は、鼻の竅(あな)を上にして台上に屍体をおく形。首祭りとしての祭梟(さいきよう)の俗、すなわち髑髏棚(どくろだな)である。これを外界と接するところにおくので、邊(辺)塞の意となる。そのをという。〔説文〕七下に「(べんべん)、見えざるなり。一に曰く、、人を省せず」(段注本)とするが、ともに文意が明らかでない。同じく祭梟の俗を示すものに方があり、方は架屍(かし)の象。卜辞に外邦を方という。辺徼(へんきよう)に放つを放といい、その追放儀礼として頭骨(白)を殴(う)つを徼といい、その地を邊徼という。みな祭梟の意象をもつ字である。金文の〔大盂鼎(だいうてい)〕の邊の字は、に従い、下に架屍の象である方がある。辺徼は冥の地、ゆえに暗黒・幽暗の意を含むのであろう。
[訓義]
1. くらい、ものみえず。
2. またに作り、辺の初文。
[声系]
〔説文〕に声として邊・など八字を収める。祭梟の俗に関するものは・邊の二字のみである。
[語系]
・宀mianは同声。また、冥myeng、(晩)miuanはいずれも幽暗の意。すべて暗く覆うことを冖myekという。みな同系の語である。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報