改訂新版 世界大百科事典 「ベーク」の意味・わかりやすい解説
ベーク
Aleksandr Al'fredovich Bek
生没年:1903-72
ソ連邦の小説家。《プラウダ》その他の新聞にルポルタージュを書いていたが,中編《クラコ》(1934)でデビュー。第2次世界大戦当初ソ連が苦境におちいった,1941年のモスクワ防衛戦を描いた中編《ボロコラムスク街道》(1943-44)でいっきょに文名を確立した。中編《数日間》《パンフィーロフ将軍の予備隊》(ともに1960)は,その続編である。ドキュメンタルな作品が多く,長編《ベレシコフの生涯》(1956)もその系列に属する。夫人のロイコも作家で,《若人たち》(1954)は夫妻の合作。スターリン批判後,過去の作家生活を自己批判し,新しい意気ごみで《新しい任命》を書くが活字にならず,のちにフランスで出版された。
執筆者:原 卓也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報