ベーソース(英語表記)Tarjei Vesaas

改訂新版 世界大百科事典 「ベーソース」の意味・わかりやすい解説

ベーソース
Tarjei Vesaas
生没年:1897-1970

現代ノルウェーの代表的な小説家,詩人。一貫して象徴的色彩の濃い作品を書いた。ファシズム支配の状況を反映した《種子》(1940),《闇の中の家》(1945),人間的成熟過程を描く《春宵》(1954),精神遅滞児の清純な心理を通した姉弟物語《鳥》(1957),魂内部にひそむ〈氷〉からの解放を願う《氷の城》(1963)などは,彼を現代北欧の最高の小説家の一人にした。《泉》(1946)に始まる数冊の詩集は簡潔さと表現主義的力に富む。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のベーソースの言及

【ノルウェー】より

…鋭敏な社会問題への切込みはときに日本人的ともいえる甘えの心理構造に逃避し,民主主義と福祉を是としながら神秘,隠遁への志向を抑えがたい。これらの二重性は現代芸術にも,たとえば〈新ノルウェー語(ニューノルスク)〉作家ベーソースの繊細な感受性に満ちた小説と,ドゥーンの地方農民の一族史をつづる雄勁な《ユービークの人々》との共存,夭折(ようせつ)したルンデRolf Lunde(1891‐1928)の優美な彫像に対するに,ビーゲランの121人の人間像からなる巨大な一本石碑という形で顕現している。 ノルウェー文化の歴史は9~11世紀のバイキング時代に始まる。…

※「ベーソース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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