改訂新版 世界大百科事典 「ペキニーズ種」の意味・わかりやすい解説
ペキニーズ[種]
Pekingese
原産地が中国の愛玩犬。古代中国の秦,漢の時代から宮廷犬として伝えられた犬種で,祖先は日本のチンやチベタン・スパニエルと共通だといわれる。長く美しい被毛が全身を覆い,おでこで口吻のつまったチンのような顔貌であるが,胸は深く広く,四肢は骨太で,優美とはほど遠いがんじょうな体軀(たいく)のイヌで,性格も小型種には珍しい度胸と大胆さをもち,貴婦人のひざ犬ではない。1860年アロー号事件の際,イギリス人将兵に北京の王城から略奪されて以来欧米に伝えられ,日本へは大正の末ごろイギリスから輸入された。毛色は真白から真黒に至るまで種々で,赤とファウン(茶)が多い。体重は約3.2~5.4kgの超小型種。
執筆者:一木 彦三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報