ちん(読み)チン

デジタル大辞泉 「ちん」の意味・読み・例文・類語

ちん[副]/[名]

[副]
金属などのかたい物どうしが軽くぶつかって立てる音を表す語。「鉦をちんと鳴らす」
鼻をかむ音や、そのさま。「鼻をちんとかむ」
[名](スル)《調理完了の際に鳴る音から》俗に、電子レンジで食品を加熱すること。「冷めたおかずちんする」
[類語]ちんちんちりんちりんちんちんちゃらちゃらちゃりんじゃらじゃらがちゃがちゃかちゃかちゃがたりかたんがたんかたかたがたがたかたことがたごとことことごとごとことりごとりことんごとんこんこんこんごんごんがつんこつんごつんかちりかちかちこつこつどんとんとんとんどんどんかちゃりがちゃりかちゃんがちゃんかちんがちんからからがらがらがらりかんかんがんがん

ちん[接尾]

[接尾]人名に付いて、軽い親しみを表す。また、容姿・性格などを表す語に付いて、そういう人の意を表す。「しぶちん」「でぶちん

チン(Zinn)

ツィン

チン(chin)

下あご。あご先。

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精選版 日本国語大辞典 「ちん」の意味・読み・例文・類語

ちん

  1. 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
  2. 金属などの堅い物がぶつかって立てる音を表わす語。また、鉦(かね)の音にもいう。
    1. [初出の実例]「かけがねをちんとあけられた程に」(出典:虎明本狂言・花子(室町末‐近世初))
  3. 鼻をかむ音やさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「葉をひとつちぎりたり。何にするぞと見て居たりや、チンと鼻をかんで捨た」(出典:咄本・鹿の子餠(1772)蕣)
  4. ちんと

チン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] chin ) ボクシングで、頤(おとがい)(=下あご)のことをいう。
    1. [初出の実例]「ボクシングのあらゆる訓練のうちで、顎(チン)を強化する方法だけは発明されてゐない」(出典:鏡子の家(1959)〈三島由紀夫〉一)

ちん

  1. 〘 接尾語 〙 人名または人を表わす名詞に付いて、軽い親しみを表わす。上方の幼児語。また、「しぶちん」「でぶちん」などのように、性格や容姿などを表わす語に付いて、そういう人の意にも用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ちん」の意味・わかりやすい解説

チン(動物)
ちん / 狆
chin

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、日本原産の犬種であるが、その祖犬は730年(天平2)新羅(しらぎ)より聖武天皇(しょうむてんのう)に献上されたイヌである。長らく上流社会の婦人の間で抱き犬として愛玩(あいがん)されてきた。日本原産犬種のなかでもっとも早く世界公認犬種となった。体高25センチメートル前後のスパニエルタイプの優雅な小形犬で、ペキニーズやチベッタンスパニエルに類似した風貌(ふうぼう)をもつ。被毛は絹糸状で、まっすぐで長い。耳、頸(くび)、もも、尾の飾り毛は豊かであるが、下毛に乏しい。尾は背負われ、足先は兎趾(うさぎあし)(足先の握りが細長いものをいう)状。歯の咬合(こうごう)は、切端咬合(門歯の切端が接する咬合)が望ましいが、アンダーショット(下あごの前歯が上あごの前歯より突き出た状態)も認められている。毛色は白地に黒または赤の斑(はん)で、頭部の両側と耳、胴などに均等に斑があるほうがよいとされる。また、とくに口先から前額、頭頂にかけて白く抜けているものが好まれる。

増井光子



チン(民族)
ちん
Chin

ミャンマービルマ)領内に住む、チベット・ビルマ語系のクキ・チン諸語を話す人々の総称。その下位集団の自称名は多様である。チンの名称はビルマ系の人々が用いた呼称に由来する。ミャンマー西部の山岳部を中心に、南のイラワディ河谷にかけて居住し、人口は60万人を超えると推定されるが、最近の正確な統計はない。彼らの住居は、北端の地域を除いて杭上(こうじょう)家屋で、南では竹が多く使われる。元来、焼畑耕作が生活の基盤で、主食の米あるいはトウモロコシのほかに雑穀、豆類、いも類、ヒョウタンサトウキビ、綿、香料などが栽培された。一部には平地での水稲耕作も行われた。家畜はウシ、ブタ、ニワトリ、ヤギ、イヌのほかに、供犠(くぎ)用のミタン牛が飼われることで知られた。水牛は20世紀なかば以降から飼われるようになった。20世紀なかばごろまでは鍛冶(かじ)屋が外来の鉄製品の加工を行う以外、手工業の専門化はみられなかった。伝統的に竹や籐(とう)で籠(かご)をつくり、木綿を織り、壺を焼く技術をもっている。鉄のほか、塩も平地のビルマ人との交易に頼っていた。北部の集団では、外から入手した贅沢(ぜいたく)品を誇示する大土地所有者の貴族的階層が存在した。イギリス人との接触が始まったころは、各集団間あるいはビルマ人などとの間の戦闘が常時みられ、戦争捕虜およびその子孫からなる奴隷階層も存在した。親族は父系で組織される。結婚は婚資の支払いを伴い、新規居住形態をとる。末の息子と老父母との同居がみられる。森羅万象に宿る精霊を崇拝し、勲功祭宴が盛んなことで知られた。外部社会との接触が増大し、キリスト教に改宗した者が多い。

[横山廣子]

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日本歴史地名大系 「ちん」の解説

チン
ちん

ムカワフト近くのムカワ川支流(チン川)沿いの地名。当地一帯は近代に入り鵡川村に包含された。語義について松浦武四郎は「其名義は往昔此処の惣乙名某なる者、松前え領主の拝謁に行、矮狗ちんを一疋もらひ帰りしが、何とせしや此処に失たりと。実にあまり不思儀に思ひ、処名とせしとかや。また一説には、矮狗の画とも云へり、依て号と」(「戊午日誌」武加和誌)と記す。ただしアイヌ語に由来する地名とする考えもある。

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改訂新版 世界大百科事典 「ちん」の意味・わかりやすい解説

チン[州]
Chin

ミャンマーの7州の一つ。同国北西部,北緯20°30′と24°10′,東経92°50′と94°10′の間に位置し,西部でインド,バングラデシュと国境を接する。面積3万6000km2,人口48万(2000)。東西の幅が最大140kmしかないのに対し,南北の長さは480kmある。1948年の独立と同時に特別区となり,73年の新憲法によって州に昇格した。州都はミンダ。行政的には9郡に細分される。平均年雨量は,ファラムで1500mm,ミンダで1800mm。州全体が山と峡谷で,平地はほとんどなく,山腹での焼畑移動耕作が主力であるが,最近は段々畑の定着農業に移行しつつある。耕地面積は1000km2。おもな農作物はトウモロコシ,陸稲,豆類など。住民はチベット・ビルマ語系の言語を話すチン族で,居住地域によってティディム,ライ,ライゾーなど多くの種族に分かれる。
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百科事典マイペディア 「ちん」の意味・わかりやすい解説

チン(狆)[種]【チン】

日本チンとも。イヌの一品種。肩高25cm。体重1.8〜3.2kgほど。毛は長く絹糸状で,黒と白または赤褐色と白の斑。約1200年前に中国から移入され,日本で飼育・改良された。ペキニーズ,パグなどに血統が近い。日本特産の愛玩犬として19世紀後半より世界的に知られる。
→関連項目パグ[種]ペキニーズ

チン

主としてミャンマー西部チン州やインドのルシャイ丘陵に住む人びと。約100万人。言語はチベット・ビルマ語派に属す。農業に従事し,アワ,米を栽培,豚,ヤギ,ニワトリ等を飼育。山上に杭上(こうじょう)家屋を作り住む。
→関連項目アラカン[山脈]

チン(琴)【チン】

(きん)

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デジタル大辞泉プラス 「ちん」の解説

チン

タイ科の海水魚、ミナミクロダイの沖縄名。内湾の砂泥底などに生息。食用。

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世界大百科事典(旧版)内のちんの言及

【カンボジア】より

…(1)ピン・ペアト編成(タイの器楽合奏ピー・パートに当たる)は宗教儀式や《ラーマーヤナ》などの古典芸能に用いられるアンサンブルである。今日では,名前の由来する弦楽器(ピンはインドの撥弦楽器ビーナー,ペアトは広く楽器を意味する)は用いず,ロネアトroneat(舟形の木琴,箱形の竹琴など)やコーンkong(大きさの異なる壺形のゴングを円形に組み合わせたもの)などの旋律打楽器を中心に,スラライsralay(ダブル・リードの縦笛)とサンポsampo(樽形の両面鼓),スコールskor(樽形の鋲打ち太鼓),チンching(小型の肉厚シンバル)などのリズム打楽器を配したもので編成される。(2)モホリ(タイの器楽合奏マホーリーに相当)はピン・ペアトに比し,ポピュラーなアンサンブルで,古典舞踊や演劇の伴奏のほかに,結婚式や宴会などで用いられる。…

※「ちん」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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