デジタル大辞泉
「ちん」の意味・読み・例文・類語
ちん[接尾]
[接尾]人名に付いて、軽い親しみを表す。また、容姿・性格などを表す語に付いて、そういう人の意を表す。「しぶちん」「でぶちん」
チン(chin)
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ちん
- 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
- ① 金属などの堅い物がぶつかって立てる音を表わす語。また、鉦(かね)の音にもいう。
- [初出の実例]「かけがねをちんとあけられた程に」(出典:虎明本狂言・花子(室町末‐近世初))
- ② 鼻をかむ音やさまを表わす語。
- [初出の実例]「葉をひとつちぎりたり。何にするぞと見て居たりや、チンと鼻をかんで捨た」(出典:咄本・鹿の子餠(1772)蕣)
- ③ ⇒ちんと
チン
- 〘 名詞 〙 ( [英語] chin ) ボクシングで、頤(おとがい)(=下あご)のことをいう。
- [初出の実例]「ボクシングのあらゆる訓練のうちで、顎(チン)を強化する方法だけは発明されてゐない」(出典:鏡子の家(1959)〈三島由紀夫〉一)
ちん
- 〘 接尾語 〙 人名または人を表わす名詞に付いて、軽い親しみを表わす。上方の幼児語。また、「しぶちん」「でぶちん」などのように、性格や容姿などを表わす語に付いて、そういう人の意にも用いる。
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チン(動物)
ちん / 狆
chin
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、日本原産の犬種であるが、その祖犬は730年(天平2)新羅(しらぎ)より聖武天皇(しょうむてんのう)に献上されたイヌである。長らく上流社会の婦人の間で抱き犬として愛玩(あいがん)されてきた。日本原産犬種のなかでもっとも早く世界公認犬種となった。体高25センチメートル前後のスパニエルタイプの優雅な小形犬で、ペキニーズやチベッタンスパニエルに類似した風貌(ふうぼう)をもつ。被毛は絹糸状で、まっすぐで長い。耳、頸(くび)、もも、尾の飾り毛は豊かであるが、下毛に乏しい。尾は背負われ、足先は兎趾(うさぎあし)(足先の握りが細長いものをいう)状。歯の咬合(こうごう)は、切端咬合(門歯の切端が接する咬合)が望ましいが、アンダーショット(下あごの前歯が上あごの前歯より突き出た状態)も認められている。毛色は白地に黒または赤の斑(はん)で、頭部の両側と耳、胴などに均等に斑があるほうがよいとされる。また、とくに口先から前額、頭頂にかけて白く抜けているものが好まれる。
[増井光子]
チン(民族)
ちん
Chin
ミャンマー(ビルマ)領内に住む、チベット・ビルマ語系のクキ・チン諸語を話す人々の総称。その下位集団の自称名は多様である。チンの名称はビルマ系の人々が用いた呼称に由来する。ミャンマー西部の山岳部を中心に、南のイラワディ河谷にかけて居住し、人口は60万人を超えると推定されるが、最近の正確な統計はない。彼らの住居は、北端の地域を除いて杭上(こうじょう)家屋で、南では竹が多く使われる。元来、焼畑耕作が生活の基盤で、主食の米あるいはトウモロコシのほかに雑穀、豆類、いも類、ヒョウタン、サトウキビ、綿、香料などが栽培された。一部には平地での水稲耕作も行われた。家畜はウシ、ブタ、ニワトリ、ヤギ、イヌのほかに、供犠(くぎ)用のミタン牛が飼われることで知られた。水牛は20世紀なかば以降から飼われるようになった。20世紀なかばごろまでは鍛冶(かじ)屋が外来の鉄製品の加工を行う以外、手工業の専門化はみられなかった。伝統的に竹や籐(とう)で籠(かご)をつくり、木綿を織り、壺を焼く技術をもっている。鉄のほか、塩も平地のビルマ人との交易に頼っていた。北部の集団では、外から入手した贅沢(ぜいたく)品を誇示する大土地所有者の貴族的階層が存在した。イギリス人との接触が始まったころは、各集団間あるいはビルマ人などとの間の戦闘が常時みられ、戦争捕虜およびその子孫からなる奴隷階層も存在した。親族は父系で組織される。結婚は婚資の支払いを伴い、新規居住形態をとる。末の息子と老父母との同居がみられる。森羅万象に宿る精霊を崇拝し、勲功祭宴が盛んなことで知られた。外部社会との接触が増大し、キリスト教に改宗した者が多い。
[横山廣子]
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チン
ちん
ムカワフト近くのムカワ川支流(チン川)沿いの地名。当地一帯は近代に入り鵡川村に包含された。語義について松浦武四郎は「其名義は往昔此処の惣乙名某なる者、松前え領主の拝謁に行、矮狗を一疋もらひ帰りしが、何とせしや此処に失たりと。実にあまり不思儀に思ひ、処名とせしとかや。また一説には、矮狗の画とも云へり、依て号と」(「戊午日誌」武加和誌)と記す。ただしアイヌ語に由来する地名とする考えもある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
チン[州]
Chin
ミャンマーの7州の一つ。同国北西部,北緯20°30′と24°10′,東経92°50′と94°10′の間に位置し,西部でインド,バングラデシュと国境を接する。面積3万6000km2,人口48万(2000)。東西の幅が最大140kmしかないのに対し,南北の長さは480kmある。1948年の独立と同時に特別区となり,73年の新憲法によって州に昇格した。州都はミンダ。行政的には9郡に細分される。平均年雨量は,ファラムで1500mm,ミンダで1800mm。州全体が山と峡谷で,平地はほとんどなく,山腹での焼畑移動耕作が主力であるが,最近は段々畑の定着農業に移行しつつある。耕地面積は1000km2。おもな農作物はトウモロコシ,陸稲,豆類など。住民はチベット・ビルマ語系の言語を話すチン族で,居住地域によってティディム,ライ,ライゾーなど多くの種族に分かれる。
執筆者:大野 徹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
チン(狆)[種]【チン】
日本チンとも。イヌの一品種。肩高25cm。体重1.8〜3.2kgほど。毛は長く絹糸状で,黒と白または赤褐色と白の斑。約1200年前に中国から移入され,日本で飼育・改良された。ペキニーズ,パグなどに血統が近い。日本特産の愛玩犬として19世紀後半より世界的に知られる。
→関連項目パグ[種]|ペキニーズ
チン
主としてミャンマー西部チン州やインドのルシャイ丘陵に住む人びと。約100万人。言語はチベット・ビルマ語派に属す。農業に従事し,アワ,米を栽培,豚,ヤギ,ニワトリ等を飼育。山上に杭上(こうじょう)家屋を作り住む。
→関連項目アラカン[山脈]
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チン
タイ科の海水魚、ミナミクロダイの沖縄名。内湾の砂泥底などに生息。食用。
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世界大百科事典(旧版)内のちんの言及
【カンボジア】より
…(1)ピン・ペアト編成(タイの器楽合奏ピー・パートに当たる)は宗教儀式や《ラーマーヤナ》などの古典芸能に用いられるアンサンブルである。今日では,名前の由来する弦楽器(ピンはインドの撥弦楽器ビーナー,ペアトは広く楽器を意味する)は用いず,ロネアトroneat(舟形の木琴,箱形の竹琴など)やコーンkong(大きさの異なる壺形のゴングを円形に組み合わせたもの)などの旋律打楽器を中心に,スラライsralay(ダブル・リードの縦笛)とサンポsampo(樽形の両面鼓),スコールskor(樽形の鋲打ち太鼓),チンching(小型の肉厚シンバル)などのリズム打楽器を配したもので編成される。(2)モホリ(タイの器楽合奏マホーリーに相当)はピン・ペアトに比し,ポピュラーなアンサンブルで,古典舞踊や演劇の伴奏のほかに,結婚式や宴会などで用いられる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」