日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホシゴンベ」の意味・わかりやすい解説
ホシゴンベ
ほしごんべ / 星権兵衛
blackside hawkfish
freckled hawkfish
Forster's curlyfin
[学] Paracirrhites forsteri
硬骨魚綱スズキ目ゴンベ科に属する海水魚。三宅島、和歌山県田辺湾以南の南日本海域、インド洋・太平洋の熱帯・亜熱帯域に分布する。頭と胸に赤色の斑点(はんてん)が散らばり、普通、背びれ中央部の下から尾柄(びへい)中央部までの背側面に、幅広い黒色帯が走ることが、この種の著しい特徴。背びれ軟条は11本で、側線鱗(りん)は少なく45~49枚である。背びれ各棘(きょく)の先端から1本の皮弁が出る。胸びれは14軟条で、下部の7軟条は不分枝で、肥厚する。体は背側面の黒色帯を挟んで、背びれの基部と体側の中央部近くに淡色の縦帯が走る。5センチメートルぐらいの幼魚では濃淡の帯のコントラストが強く、頭部の赤色斑点が少ない。体色にかなりの変異がある。体長は23センチメートルぐらいになる。水深30メートル以浅の枝サンゴの間や上に留まっていることが多い。おもに小型魚類、ときには甲殻類を食べる。
[尼岡邦夫]