化学辞典 第2版 「ホスファム」の解説
ホスファム
ホスファム
phospham
(60.00×n).窒化リンイミド(phosphorus imide nitride)ともいう.五塩化リンとアンモニアを加熱するか,ホスホニトリルの三~四量体の熱分解,500 ℃ での赤リンとNH3(気体)の反応,などで得られる.図のように,PがP-N-P,P=N-P橋かけで網目状に結合した高次の重合体と考えられる.白色の固い粉末.水に不溶.真空中で強熱すると分解して窒化リン PN,P3N5を生じる.空気中で加熱すると五酸化リンP2O5に酸化され,H2 中で加熱するとNH3を生じ,水と加熱するとリン酸とNH3になる.希酸には侵されないが,濃硫酸,濃硝酸,濃アルカリ水溶液には侵される.金属と反応させるとリン化物を生じる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報