改訂新版 世界大百科事典 「ボグル語」の意味・わかりやすい解説
ボグル語 (ボグルご)
Vogul
ウラル語族のフィン・ウゴル語派中のウゴル諸語に属する言語で,オスチャーク語(ハンティ語)とともにオビ・ウゴル語を形成する。自称に基づきマンシ語Mansiともよばれる(マンシ族)。オビ川中流の西側およびソスワ,ロズバ,コンダなどの支流域にわたり話され,言語人口は7600(1979),このうち48.5%が母語としている。東,西,南,北の4方言に分かれているが,北方言が話者も多く標準文語の基礎となっている。南方言は死滅した。名詞は6格に変化し所有語尾をとる。動詞は単数,双数,複数で,活用し文末に立つ。フィンランドのカンニストにより口承資料が集められ,ロシアのE.I.ロンバンデエワにより文法的研究が進められている。文例:āi kiniga-te lowin'tite.〈少女は・彼女の本を・読んでいる〉。
執筆者:小泉 保
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報