日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボブロウスキ」の意味・わかりやすい解説
ボブロウスキ
ぼぶろうすき
Johannes Bobrowski
(1917―1965)
ドイツの詩人、小説家。東プロイセンのティルジットで鉄道員の家に生まれ、東ベルリンにて死す。ベルリン大学で美術史を学び、第二次世界大戦中より詩作。戦後ソ連での捕虜生活を経て東ベルリンの出版社に勤務し、処女詩集『サルマチア時代』(1961)によって本格的に文壇に登場。ほかに小説『レビンの水車』(1964)、遺稿『リトアニアのピアノ』(1966)などがある。郷土東プロイセンの風土に根ざしたメランコリックな自然詩やフォークロア的小説が多いが、そこには大国に翻弄(ほんろう)される東ヨーロッパ民族の悲哀の歴史がとらえられている。作品数は少ないが、ドイツで評価が高い。
[井上修一]
『山下肇・石丸昭二訳『レヴィンの水車』(1977・河出書房新社)』