風土(読み)ふうど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

風土
ふうど

地域によって異なる特色をもった環境としての自然。単に気候のみでなく,地形,水,土壌植生などやさらに歴史的建造物など多くの要素を含む。和辻哲郎は『風土-人間学的考察』のなかで,人間の自己了解の仕方と考えを風土的規定をかりて類型化した。

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デジタル大辞泉の解説

ふう‐ど【風土】

その土地の気候・地味・地勢などのありさま。
人間の文化の形成などに影響を及ぼす精神的な環境。「政治的風土」「宗教的風土
[補説]書名別項。→風土

ふうど【風土】[書名]

福永武彦長編小説。著者が大学を卒業した昭和16年(1941)に執筆を開始、約10年の執筆期間を経て昭和26年(1951)に完成。第2部をのぞいた省略版が昭和27年(1952)に刊行。完全版は昭和32年(1957)刊行された。フランスの伝統的心理小説のスタイルに則った作風で注目を集める。

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世界大百科事典 第2版の解説

ふうど【風土 climate】

風土は中国起源の語で,元来,季節の循環に対応する土地の生命力を意味した。土地は,天地の交合によって天から与えられた光や熱,雨水などに恵まれているが,生命を培うこれらの力が地上を吹く風に宿ると考えられたのであろう。許慎(後漢)の《説文解字(せつもんかいじ)》に〈風動いて蟲生ず〉とあるように風という字の中の虫は,一年中で最も早く生じる生物であった。人間本来の性は同じでも,土地の生命力ごとにその涵養のされ方には違いができることから,風土の語は,《後漢書》では場所ごとに異なる地方差を意味するに至った。

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大辞林 第三版の解説

ふうど【風土】

土地の状態。住民の慣習や文化に影響を及ぼす、その土地の気候・地形・地質など。 「日本の-に慣れる」 「精神的-」

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精選版 日本国語大辞典の解説

ふう‐ど【風土】

[1] その土地の気候・地味・地勢など。その土地のありさま
※万葉(8C後)一七・三九八四・左注「霍公鳥者立夏之日来鳴必定、又越中風土希橙橘也」
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二〇「人民其風土に染み」 〔後漢書‐衛颯伝〕
[2] 文化論の哲学書一巻。和辻哲郎著。昭和一〇年(一九三五)刊。世界各地の風土をモンスーン・砂漠・牧場の三類型に分け、風土の型によってその風土の上に成立する人間の思想や文化の型が規定されると主張する独自な文化史論を展開した。

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