ポリイオンコンプレックス

化学辞典 第2版 の解説

ポリイオンコンプレックス
ポリイオンコンプレックス
polyion complex, polyelectrolyte complex

溶液中に溶けた異種の高分子を混合したときに形成される集合体を高分子集合体または高分子コンプレックスとよぶ.このコンプレックスは,静電気的相互作用,水素結合疎水結合電荷移動相互作用,ファンデルワールス力など,異なる高分子鎖間にはたらく相互作用により形成される.高分子鎖中に電荷をもつ高分子を高分子電解質とよび,水溶液中で解離してポリイオン(高分子イオン)と対イオン(低分子)に分かれる.ここで,正負反対の電荷をもった2種類の高分子電解質の水溶液を混合して形成される集合体を高分子電解質集合体(ポリイオンコンプレックス)とよぶ.ポリイオンコンプレックスを利用した材料として,電池用隔膜,湿度センサー,帯電防止被覆膜,血液透析膜,人工肺用膜など広く使用されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android