化学辞典 第2版 「ポリマー電解質」の解説
ポリマー電解質
ポリマーデンカイシツ
polymer electrolyte
比較的高いイオン伝導性を有する高分子(ポリマー).1975年,P.V. Writeにより,ポリ(エチレンオキシド)がアルカリ金属と錯体を形成し,アルカリ金属イオン伝導性を有することが発見され,1979年にM. Armandにより,リチウムイオン伝導性ポリマーをリチウム二次電池の電解質として用いることが提案された.その後,数多くの研究がなされ,ポリマー中の無定形部分で極性基がセグメント運動を行うことにより,イオンが流れることが示された.ポリマー電解質は,ポリマーに電解質塩を溶解しただけの真性ポリマー電解質と,可塑剤として低分子有機物を含むゲルポリマー電解質に大別できる.ポリマー電池用に室温において 10-3 s cm-1 以上の高いイオン伝導性を有するゲルポリマー電解質が開発されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報