ポワント(読み)ぽわんと(その他表記)pointe(仏)

知恵蔵 「ポワント」の解説

ポワント

元来は爪先のこと。バレエでは爪先立ちのことをシュル・ラ・ポワント(sur la pointe)、略してポワントという。これこそがバレエの最大特徴である。誰がどこで始めたのかは不明だが、1810年代のヨーロッパだと考えられている。有名なバレリーナ、マリー・タリオーニが「ラ・シルフィード」(1832年)というバレエで多用して以後、女性ダンサーたちがこぞって真似するようになり、やがて女性バレエ・ダンサーの必須条件となった。男性は決してやらないが、身体構造的にできないわけではなく、単純に美学的な理由による(男のポワントは美しいとは見なされなかった)。

(鈴木晶 舞踊評論家 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android