改訂新版 世界大百科事典 「ポントゥック」の意味・わかりやすい解説
ポントゥック
Phongtǔk
タイ中西部,カーンチャナブリーの町からメークローン川を約40km下った地点にある村。古代遺跡で知られる。1927年に寺院の基壇の跡が発見され,そこから青銅製のランプ,小型の青銅製の仏像,奉納板,基壇部等の側壁を飾った漆喰製の浮彫の断片などが出土した。青銅製のランプはグレコ・ローマン様式で,おそらく1,2世紀ころにエジプトのアレクサンドリアで鋳造され,タイに運ばれたものと推定されている。青銅仏は南インドのアマラーバティー様式に基づいて造られていた点から,発見当時は2世紀のものと考えられたが,最近の研究では青銅仏をはじめとし,遺跡は全体にドバーラバティ王国(7世紀ころ~11世紀)のものであろうとされている。
執筆者:伊東 照司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報