イタリアの小説家リッカルド・バッケッリの小説。 1938~40年刊。『汝に神の救いあれ』 Dio ti salvi,『不幸は舟でやってくる』 La miseria viene in barca,『古く常に新しき世界』 Mondo vecchio sempre nuovoの3部から成る。水車小屋の一家の生活を中心に,ナポレオンのロシア撤退から,リソルジメント (国家統一運動) を経て,第1次世界大戦終結まで,約1世紀にわたるイタリア国家の推移とその社会問題を,叙事詩風に描き上げた作品。トルストイの『戦争と平和』にも匹敵する雄大な構想をもち,マンゾーニの『婚約者』と並んで,イタリア長編小説の二大規範とみなされている。