ポー河の水車小屋(読み)ポーがわのすいしゃごや(その他表記)Il Mulino del Po

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポー河の水車小屋」の意味・わかりやすい解説

ポー河の水車小屋
ポーがわのすいしゃごや
Il Mulino del Po

イタリアの小説家リッカルド・バッケッリの小説。 1938~40年刊。『汝に神の救いあれ』 Dio ti salvi,『不幸は舟でやってくる』 La miseria viene in barca,『古く常に新しき世界』 Mondo vecchio sempre nuovoの3部から成る。水車小屋一家の生活を中心に,ナポレオンのロシア撤退から,リソルジメント (国家統一運動) を経て,第1次世界大戦終結まで,約1世紀にわたるイタリア国家の推移とその社会問題を,叙事詩風に描き上げた作品。トルストイの『戦争と平和』にも匹敵する雄大な構想をもち,マンゾーニの『婚約者』と並んで,イタリア長編小説の二大規範とみなされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android